ハラスメント対策はフリーランスも対象
フリーランス新法では、契約や支払いだけではなく、就業環境の整備も重視されている。その代表例が、ハラスメント防止措置である。
従業員を雇用する発注事業者(特定業務委託事業者)は、業務委託先のフリーランスに対しても、ハラスメント防止のために必要な措置を講じなければならない。
安部氏は、「見落とされやすいのは、単発の業務委託であっても対象になる点です。育児・介護への配慮義務とは異なり、契約期間の長短は関係ありません」と指摘する。
その上で、「最低限必要なのは、相談窓口をフリーランスにも利用できるようにすること、その利用方法を周知すること、相談があった際の対応フローを整備すること、そして発注担当者に対し、フリーランスも保護対象であることを理解してもらうことです」と話す。
企業にとっては、社内向けに整備していたハラスメント対策を、社外の業務委託先まで広げるという発想の転換が求められているようだ。
「業務委託契約」でも労働者と判断されることがある
さらに注意したいのが、「業務委託」と「雇用」の境界である。
契約書の名称が業務委託契約となっていても、実際には勤務時間や勤務場所を指定し、日常的に指揮命令を行い、他社で働くことも事実上認めないような実態があれば、労働基準法上の「労働者」と判断される可能性がある。
その場合、残業代や社会保険、労働保険などの問題へ発展することもある。
安部氏は、「フリーランス法への対応と、労働者性の判断は別の問題です。契約書を整備したからといって安心できるわけではありません。実態として雇用に近い働かせ方になっていないかも、あわせて確認する必要があります」と指摘する。
