日米「円安阻止」姿勢変わらずか?…為替介入による「円高反転」に警戒【7月の米ドル/円予想レンジ「150~162円」の根拠】

6月30日~7月6日の「FX投資戦略」ポイント

日米「円安阻止」姿勢変わらずか?…為替介入による「円高反転」に警戒【7月の米ドル/円予想レンジ「150~162円」の根拠】
(※画像はイメージです/PIXTA)

米金利上昇などを背景に、6月の米ドル/円は2024年7月に記録した「歴史的円安」である161.9円に肉薄する161.7円まで上昇しました。しかし、4月30日以降、通貨当局による円安阻止を目的とした為替介入は行われていないとみられています。こうしたなか、7月の米ドル/円相場はどのように展開するのでしょうか。マネックス証券チーフFXコンサルタント・吉田恒氏が6月の相場展開を振り返るとともに、7月のドル/円相場を予想します。

1.米利上げ見通し拡大が「米ドル高・円安」を後押し

米ドル高・円安が進んだ理由は、基本的には日米金利差(米ドル優位・円劣位)の拡大で説明できます。日米2年債利回り差は2.6%台から、主に米金利上昇が主導する形で一時は2.8%以上に拡大しました(図表3参照)。

 

出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成
[図表3]米ドル/円と日米2年債利回り差(2026年4月~) 出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

 

6月は、日米ともに金融政策の発表があり、日銀が2025年12月以来の利上げを決めた一方で、FRB(米連邦準備制度理事会)は政策金利を据え置きました。

 

ただし、日銀の判断は事前予想どおりだったのに対し、FRBでは今回からFOMC(米連邦公開市場委員会)に初参加したウォーシュ新議長が予想以上に金融引き締めを支持する「タカ派」と受け止められました。

 

このため、金融政策を反映する2年債利回りは、日本がほぼ横ばいだったのに対し、米国が大きく上昇し、結果として日米金利差が拡大する展開となりました(図表4参照)。

 

出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成
[図表4]日米の2年債利回りの推移(2026年4月~) 出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

 

特に米2年債利回りは一時4.2%を大きく上回り、米国の政策金利であるFFレートの誘導目標上限3.75%からの上ぶれ幅は0.5%近くに拡大しました(図表5参照)。

 

この上ぶれ幅は5月半ば以降、0.25%以上に拡大し、先々の0.25%の利上げを織り込み始めていましたが、6月に入ると利上げの早期化に加え、「0.25%×2回」の連続利上げまで視野に入れる動きが強まりました。

 

出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成
[図表5]米2年債利回りとFFレート(2020年~) 出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

2.投機筋の米ドル買い・円売り「行き過ぎ」懸念が拡大

6月に米ドル高・円安が続いたもう1つの要因として、投機筋による円売りの拡大が挙げられます。

 

代表的な投機筋であるヘッジファンドの取引を反映するCFTC(米商品先物取引委員会)統計では、投機筋の円ポジションが一時15万枚超の売り越し(米ドル買い越し)となり、2024年7月以来の高水準に達しました(図表6参照)。

 

出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成
[図表6]CFTC統計の投機筋の円ポジション(2005年~) 出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

 

こうした動きは、投機筋による円売りが“行き過ぎ”の水準に近づいている可能性を示唆するものです。同統計で円売り越しが過去最大となったのは2007年と2024年に記録した18万枚ですが、6月の円売り越しはそれに迫る動きとなったわけです。

 

似たようなことが「米ドル買い」についてもいえそうです。投機筋の米ドル・ポジション(非米ドル主要5通貨=円、ユーロ、英ポンド、加ドル、豪ドルのポジションで試算)は、買い越しが30万枚を大きく上回ってきました(図表7参照)。これは経験的に、米ドルの“買われすぎ”懸念を示すものです。

 

出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成
[図表7]CFTC統計の投機筋の米ドル・ポジション(2000年~) 出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

 

このように円の“売られすぎ”と米ドルの“買われすぎ”が同時に進む状況は、2024年7月にもみられました。当時は日本の通貨当局による断続的な米ドル売り・円買い介入がきっかけとなり、円安から円高への急転換が起こりました。

 

 

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