何もしないで1日が終わってしまった…65歳元管理職、資産7,000万円を誇りながら“虚無感に満ちた老後”。価値観が一変したきっかけは「ある夜、1本の電話から」

何もしないで1日が終わってしまった…65歳元管理職、資産7,000万円を誇りながら“虚無感に満ちた老後”。価値観が一変したきっかけは「ある夜、1本の電話から」
(※写真はイメージです/PIXTA)

「定年後、毎日が退屈で仕方ない」「何もしないことに虚無感や罪悪感を感じる」。そんな悩みを抱える人は少なくありません。しかし、その何も起きない日常は、そもそも悪いことなのでしょうか。65歳の洋司さん(仮名)も、穏やかな年金生活にどこか物足りなさを感じていました。ところが、ある日息子からかかってきた一本の電話をきっかけに、その価値観は大きく変わることになります。

息子からの電話「実は半年前から…」

電話の主は、41歳の長男・啓さん。珍しく深刻そうな声でした。

 

「父さん、実は……離婚することになりそうなんだ」

 

まさかの告白に洋司さんは驚愕しました。厚生労働省「人口動態統計月報年計(令和7年)」によると、離婚件数は17万9068組で、前年の18万5904組より6836組減少。離婚件数はピーク時に比べて減少していますが、婚姻数も減少しているため、離婚は依然として珍しい出来事とは言い切れません。

 

啓さんには、妻と小学生の子ども2人がいます。夫婦仲の悪化は以前から続いていたそうで、啓さんは離婚を望んでいましたが、妻は応じません。家庭内の空気は険悪になり、結局、啓さんが家を出ることに。現在は賃貸アパートで一人暮らしをしているといいます。

 

しかし、問題は、その後の生活費でした。住宅ローンが残る自宅には、妻と子どもたちが住んでいます。啓さんは住宅ローンの支払いと、自分自身の家賃を二重に負担することになります。さらに子ども2人は私立に通っており、学費や塾代の負担も重くのしかかっていました。

 

ここで啓さんは、妻と子どもの生活費として「婚姻費用」を負担することになります。婚姻費用とは、別居中でも夫婦が生活を支え合う義務に基づき、生活費を分担する仕組みのことです。

 

本来、裁判所の算定基準では、夫が妻の住む自宅の住宅ローンを支払っている場合、その負担分は婚姻費用から差し引かれる(減額される)のが一般的です。

 

しかし、法律の知識がなかった啓さんは、感情的になる妻に押し切られ、弁護士を入れる前の当事者間の話し合いで金額を決めてしまいました。住宅ローンを全額払いながら、それとは別に高額な生活費を支払うという落とし穴に気付かないまま、合意してしまったのです。

 

住宅ローンが月14万円(修繕積立金・管理費込み)、妻子への生活費と教育費が月18万円、自身のアパート家賃が8万円。これだけで月40万円。さらに食費や光熱費、通信費などを含めると、月々の支出は45万円近くに達し、啓さんの手取り収入を完全にオーバーしていました。

 

さらに、驚いたことに、別居生活はすでに半年近く続いていました。離婚がきちんと決まるまでは、親に余計な心配をかけたくないと考えていたといいます。

 

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