「夕飯いらないなら連絡よこしなさいよ」年金月23万円の60代夫婦、実家に戻ってきた40歳息子と喧嘩の毎日だが…息子が荷物をまとめた朝、「行かないでくれ」とボロ泣きしたワケ。親が抱える〈残酷な弱み〉

「夕飯いらないなら連絡よこしなさいよ」年金月23万円の60代夫婦、実家に戻ってきた40歳息子と喧嘩の毎日だが…息子が荷物をまとめた朝、「行かないでくれ」とボロ泣きしたワケ。親が抱える〈残酷な弱み〉
(※写真はイメージです/PIXTA)

物価高や賃金の伸び悩み、はたまた働きながらの家事負担など、さまざまな理由から、社会人になっても子が親と同居するケースが増えています。親にとっては、大事に育てた我が子と再び暮らせることは喜ばしいことですが、なかには「自分たちの金銭的事情」から子どもの出戻りを歓迎する親も……。本記事では高橋親子(仮名)の事例とともに、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が親子関係に潜む「老後資金不足」の危険性とその対策について解説します。※本記事は実話をベースに構成していますが、プライバシー保護のため、個人名や団体名、具体的な状況の一部を変更しています。

毎月赤字、貯金わずか150万円…生活費は「息子頼み」だった

実は、和夫さん夫婦はもともと金銭面に大きな不安を抱えていました。夫婦の貯金は2人あわせてわずか150万円ほどしかなかったのです。年金収入は月23万円程度ですが、光熱費や食費、車の維持費、医療費などが重なり、毎月の家計は慢性的な赤字状態でした。

 

そんななか、健太さんが戻ってきてくれたことで、生活は確実に楽になっていました。というのも、健太さんが家族カードを作り、「食費は自分が出すから」とほぼ全額を負担してくれるようになったのです。

 

おかげで、それまで納豆とみそ汁ばかりだった食卓にはときどきスーパーのお刺身が並び、ときには回転寿司をテイクアウトする日もあります。夫婦にとって、健太さんは生活を支えるなくてはならない存在になっていたのでした。

 

だからこそ、喧嘩が増えても「出ていけ」とはいえませんでした。むしろ、「出ていかれると困る」という気持ちのほうが大きいのが本音です。

 

息子が再び家を出ていき、露わになった「老後不安」

しかし、先に決断したのは健太さんのほうでした。その日もいつものように小言をいうと、健太さんはいいました。

 

「やっぱり俺、一人で暮らすわ。もう毎日喧嘩すんのも疲れた」

 

そう切り出した息子に対し、高橋さんは思わず声を荒らげます。

 

「いまのお前に一人暮らしなんて無理だ! 家事も全部母さんに任せて、これからどうするんだ」

 

息子を心配しているような言い方でしたが、本心は違いました。家計を支えてくれる存在を失いたくなかったのです。しかし、そんな思いは健太さんには届きません。健太さんは翌朝、荷物をまとめて出ていき、家には再び老夫婦二人だけが残されました。

 

「行かないでくれよ……。これからどうすれば……」夫婦は思わず涙を流して激しく泣いてしまいました。

 

質素な食卓、減っていく預金残高……。和夫さん夫婦は、先の見えない老後への不安に押しつぶされ、途方に暮れています。

 

 

 

次ページ「子ども頼みの老後」が生む危うさ

※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧