(※写真はイメージです/PIXTA)

2025年12月、日本銀行が踏み切った政策金利0.75%への引き上げ。約30年ぶりの大きな転換点を迎え、不動産投資市場には緊張が走っています。メディアでは「金利上昇によって不動産投資は終わるのか?」といった悲観的なトーンの報道も散見されるなか、私たちはこの変化をどう捉えるべきでしょうか。本記事では、マクロ経済の動向と不動産実務の両面に精通した不動産コンサルタント/不動産専門税理士・大浦智志氏が、あえていま「中古アパート」に注目すべき理由を解説します。数字の裏側にある「真の資産価値」とは?

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建築費高騰で注目すべきは、中古アパートの「再調達価格」

現在の不動産市場を語るうえで欠かせないのが、慢性的な人手不足や資材価格の高騰による「新築建築費の劇的な上昇」です。これにより、新築アパートで十分な事業収支(利回り)を確保することは年々困難になっています。

 

そこで着目すべき指標が「再調達価格(いま、まったく同じ建物を新築したらいくらかかるか)」です。過去の比較的安い建築費で建てられた「中古アパート」を現在の再調達価格と比較すると、非常に割安な水準に位置している物件が存在します。新築の供給が絞られ、価格が高止まりするなか、既存物件の相対的な資産価値は高まっているのです。

 

ただし、ここで注意しなければならないのは「中古であればなんでも割安だ」と安易に飛びつくのは極めて危険であるという点です。築年数、建物の劣化具合、過去の修繕履歴によって、物件の真の価値は大きく異なります。

 

新築との「価格ギャップ」というメリットと、将来発生する「修繕コスト」のリスクを冷静に天秤にかけましょう。再調達価格からみて「真に割安」といえる物件を見極める厳しい選定眼こそが、中古アパート投資の成否をわける最大の鍵となります。

「管理・運営の質」による差別化がより重要視されるワケ

インフレと金利上昇が共存するフェーズでは、不動産経営のあり方も変化を求められます。これまでの超低金利時代は、極論をいえば「買えば利益が出る」という相場環境の恩恵を受けやすい時代でした。しかしこれからは、上昇する金利コストや維持管理費をカバーし、それ以上の収益を生み出す「経営力」が問われます。

 

具体的には、インフレに合わせて適切に「家賃を維持・転嫁(値上げ)できるか」が重要です。そのためには、ただ物件を所有するだけでなく、継続的な賃貸需要が見込める「立地の選定」が大前提となります。

 

さらに、入居者のニーズを捉えた適切なリノベーションや、迅速なトラブル対応など、入居者満足度を高める「管理・運営の質」が不可欠です。物件の魅力が高まれば、退去を防ぎ、相場に合わせた適正な家賃設定が可能になります。これからの賃貸経営は、金融工学的なアプローチだけでなく、泥臭い「事業」としての手腕が物件間の格差を大きく広げていくでしょう。

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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