(※写真はイメージです/PIXTA)

長年連れ添った夫婦でも、50代を迎えた頃から関係性が大きく変わることがあります。子どもの独立や定年の接近をきっかけに、これまで見過ごされてきた価値観のズレが表面化するケースも少なくありません。厚生労働省『人口動態統計(令和5年)』によると、同居期間20年以上のいわゆる“熟年離婚”は増加傾向にあります。安定しているように見える家庭でも、その内側では静かに変化が進んでいることがあります。

熟年期に訪れる“関係の見直し”

「離婚してくれ」

 

その言葉を突然告げられたのは、咲子さん(仮名・53歳)でした。相手は、会社員の夫・浩一さん(仮名・57歳)。年収は約1,600万円。いわゆるエリート層にあたる存在です。

 

「最初は冗談だと思いました。でも、顔を見たら本気だと分かって…」

 

二人は結婚して28年。子どもはすでに独立し、現在は夫婦二人暮らしです。咲子さんは結婚後に退職し、専業主婦として家庭を支えてきました。

 

「夫の仕事は忙しかったので、家のことは全部私がやるのが当たり前でした。子どものことも、親の介護も」

 

大きな喧嘩もなく、生活は安定していました。少なくとも咲子さんにとっては、「問題のない夫婦」だったといいます。

 

転機は、夫のある一言でした。

 

「これからの人生を、一人で考えたい」

 

理由を尋ねても、はっきりとは答えません。ただ、「このままの関係を続けるのは難しい」と繰り返すばかりでした。

 

「浮気なのかとも思いました。でも違うと言われて…。じゃあ何なのか分からなくて」

 

数日後、夫から差し出されたのは、離婚に関する書類でした。そして、そこに記載されていた内容に、咲子さんは言葉を失います。

 

「想像していたよりも、ずっと現実的な話でした」

 

提示されたのは、一定期間の生活費に相当する金額と、今後の住まいに関する提案。しかし、それは“これまでと同じ生活が維持できる水準”ではありませんでした。

 

「これでやっていけると思っているの?と聞いたら、“十分だろう”と…」

 

話し合いが進む中で、咲子さんは初めて、自分が置かれている立場を具体的に意識するようになりました。

 

これまで家計の管理はしていたものの、収入の大半は夫に依存していました。自分自身の収入はなく、再就職の見通しも簡単ではありません。

 

離婚に際しては、婚姻費用や財産分与といった制度があります。婚姻費用とは、夫婦が別居した場合に生活費を分担する仕組みで、家庭裁判所の算定表に基づいて金額が決まるのが一般的です。また、婚姻期間中に形成された財産は、原則として夫婦で分ける対象となります。

 

ただし、それらは“これまでと同じ生活”を保証するものではありません。

 

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