企業価値の長期的な上昇メカニズムを支える理由の1つに、「企業の利益や純資産が増えていく仕組み」があります。米国の大企業アップルは、純利益が1,000億ドルを突破する一方、純資産はまったく増えていません。それなのになぜ、株価はわずか5年で倍以上になったのでしょうか。本記事では、広木隆氏の著書『株はずっと上がるもの 誰も書けなかった株式投資の真実』(日経BP)から一部編集・抜粋して解説します。
「TOPIX」と「S&P500」で異なる動き…日米で異なる“株価上昇の3パターン”
さらに言えば、米国のハイテク企業は資本効率だけで株価が上昇しているわけではありません。
アップルやエヌビディアに代表されるように、競争力の高い商品やサービスを開発して利益率そのものを高めていることが要因です。高い競争力→高い利益率(儲かる商売)→利益が成長する→株価上昇という経路が根底にあります。
まとめると、株価上昇の経路としては、1)内部留保→資産増→売上高増→利益増というパターンもあれば、2)株主還元→資本抑制→資本効率改善→高ROE→高PBR、3)高い競争力→高い利益率→利益成長というパターンもあります。
もちろん例外もありますが、ざっくり全体観としては、1)がTOPIXに見られる日本型の株価上昇パターンで、2)と3)がS&P500に見られる米国株のパターンです。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト
1963年東京生まれ。上智大学外国語学部卒業。神戸大学大学院・経済学研究科・博士後期課程修了。
博士(経済学)。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、社会構想大学院大学教授。
大手証券会社、銀行系投資顧問、外資系運用会社など様々な金融機関でファンドマネージャー、ストラテジスト等を歴任。40年にわたって証券市場の最前線で働く。
好きな言葉はロベルト・バッジョの「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気のある者だけだ」。予想を外すかもしれない不安と戦いながら、今日もマーケットという名のピッチに立ち続ける。
テレビ・ラジオのコメンテーターとしてメディアで活躍するほか、著書、論文、寄稿など多数。
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