AIが「税務調査対象」を選ぶ際の、3つの判断基準
AIは主に以下の3つの観点から「黒」または「グレー」と判断するといわれています。
1.同業他社との比較
AIは業界ごとの平均値(売上高、粗利率、外注費比率など)を精密に把握しています。これから大きく乖離した数値があると、自動的にフラグが立ちます。
2.自社内での不自然な変動
売上が伸びているのに利益が変わらない、または急激に経費が増加するなど、異常な変動パターンを検知します。特に役員借入金や貸付金の残高が頻繁に変動するケースは要注意です。
3.取引先情報との照合
インボイス制度により取引データがデジタル化されたことで、AIは自社の申告と取引先の申告を即座に照合できます。自社で売上を計上していないのに取引先が「支払った」と申告していれば、売上除外の疑いとして検知されます。
税務署が“スルーする会社”とは?
AIを活用した税務調査が本格化するなか、「税務署から狙われにくい会社」には一定の共通点があります。
“税務調査が来なくなる会社”を目指すために経営者が今から準備しておくべき対策としてまず有効なのが「書面添付制度の活用」です。
税理士が決算書の品質を保証する「書面添付」を申告書に添付すると、AIが異常値と判断した場合でも、税理士が事前にその理由を説明できます。これにより、いきなり実地調査が入るような事態は回避できる可能性が高まるでしょう。
次に重要なのが、「概況説明書の積極的な記入」です。具体的には、決算書の「摘要欄」や「営業成績の概要欄」に、数値が変動した理由を具体的に記載しておくことをおすすめします。
AIは自然言語処理の精度も上がっており、事前に理由を伝えておくことで「不自然な異常値」として扱われにくくなると考えられているためです。
続いて「経理の完全デジタル化」です。調査官がタブレット端末で指摘をしてきた際に、すぐに領収書や関連データを提示できる状態にしておくことで、「しっかり管理している会社」という印象を与えられます。紙の領収書をいちいち探すような非効率な状態は、AI時代には避けたほうが良いでしょう。

