大儲けは狙えないが、大損のリスクを大幅に減らせる方法がある
株式投資を考えている人にとって、「株価暴落のリスク」「銘柄選択の困難」は結構なブレーキとなっているかもしれません。それに対する筆者のアドバイスは「数多くの銘柄の株式を少しずつ買う」ことです。
いろいろな株式を少しずつ持っていれば、値上がりする株も値下がりする株もあるでしょうから、大儲けは狙えなくても、大損のリスクは大幅に減るでしょう。
時間的な分散も重要です。毎月少しずつ投資をしていけば、高い時も安い時も買うことになりますから、大儲けは狙えなくても、大損のリスクは大幅に減るでしょう。
実際には、株そのものを買うのではなく、投資信託というものを毎月一定額ずつ購入する「積立投資」が便利で安心です。
投資信託なら銘柄分散もカンタン!
株式投資には最低取引単位というものがあるので、「100銘柄の株を100円分ずつ買う」ということはできないのですが、投資信託であれば、それと似たような結果を享受することが可能です。
投資信託というのは、プロが投資家たちから資金を集めて、いろいろな株を買って持っていて、値上がりしても値下がりしてもそのまま(手数料を差し引いて)投資家に返す、という仕組みです。したがって、投資信託を買うことで、数多くの銘柄の株を少しずつ買うのと似たような結果が得られるわけです。
投資信託には、プロが買う銘柄を慎重に選ぶもの(アクティブ投信と呼びます)と、「日経平均株価の計算に使われる225銘柄をすべて1,000株ずつ買う」といったもの(パッシブ投信と呼びます)があります。慣れてきて、自分の資金を預けたいと思えるようなプロが見つかればその人が運用するアクティブ投信を買えばよいでしょうが、それまではパッシブ投信のほうがよいでしょう。パッシブのほうが手数料が安いですから。
時間分散でリスクが減る
一度に大量の株や投資信託を購入すると、その時がたまたま株価の安い時であればよいのですが、株価が高い時だと買った後で値下がりして損をしてしまうリスクがあります。一方で、毎月一定額ずつ投資信託を購入する「積立投資」であれば、高い時も安い時も買うので、平均的な値段で買うことができます。
さらに良いことに、実際には平均より低い価格で買うことができるのです。たとえば株価が200円、100円、200円と変動したとします。毎月1万円の積み立てをしていると、50株、100株、50株購入することになります。投資信託の場合は50口、100口、50口と呼びますが。
3ヵ月間の株価の平均は500円の3分の1なので170円程度ですが、持っている投資信託の平均コストは150円(3万円で200口購入)なので、株価の平均より安く買えた計算になります。安い時に多くの口数を買うことになるから、株価の平均より購入価格の平均のほうが低くなるのです。
積立投資なら開始時期だって悩まない
一度に大量の株を買おうとすると、「株価が暴落するのが怖いから、もう少し慎重に考えよう」と思いながら投資が始められない、という人も多いでしょう。あるいは「株価が下がりそうだから、下がるのを待ってから買おう」と思っている間に株価が上昇を続けて、結局買えなかった、という人もいるでしょう。
それに対して、積立投資のもう一つのメリットは、開始時期を選ばずすぐに始められる、ということです。「来月株価が暴落したらどうしよう」と悩むことはありません。来月株価が暴落したとしても、損をするのは最初の1ヵ月分だけですから。実際、バブルのピークで積立投資を始めた人は、1ヵ月分は損したとしても、それ以降は暴落した安値で多くの投資信託が買えたはずで、儲かっているはずなのです。
「もう少し株価が下がりそうだから」と待つ必要もありません。今積立投資を始めれば、来月株価が下がったところで買えるので、「下がりそうだけどとりあえず投資を始めてみよう」という踏ん切りがつくでしょう。
積立投資のもう一つのメリットは、精神衛生によいことです。株価が上がった時には「自分の財産が増えた」と素直に喜ぶことができます。株価が下がった時には「今月は安値で買えた」と喜べばよいのです。どうせ売るのはずっと先のことなので、今の株価が安いことを喜びましょう。ポジティブ思考です(笑)。
投資初心者は「自分で考えると間違える」から…考えない
投資初心者は、自分で考えると間違える、と筆者は感じています。株価が値上がりを続けていると「急いで買わなくては」と焦って「高値掴み」をする人も多いでしょう。もっと避けたいのは、株価暴落時に「この世の終わりが来るかも」などと考えて「狼狽売り」をしてしまうことです。
「ある証券会社が顧客をグループ分けしたところ、一番儲かっていたのは認知症で取引ができなかったグループだ」という話があります。多分嘘の作り話なのですが、もしかしたら本当かも、という気もしなくはありません。
そんなことなら、自分で考えず、ルール通りに毎月一定額を積み立てたほうがよさそうです。その際重要なことは、株価が暴落しても積み立てを止めない、ということです。「積み立てをやめる」という意思決定は、「自分で考えた結果得られた結論」なのですから(笑)。
本稿は以上ですが、株価が暴落したときに狼狽売りをしてはいけない理由については、拙稿『【株価大暴落の可能性】不穏な世界情勢、まだ先行きは不安定だが…投資家が知っておきたい「狼狽売り」を回避するポイント、3つ【経済評論家が解説】』を併せてご覧下さい。
当然ではありますが、投資判断等は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があります。
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塚崎 公義
経済評論家
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