3.「わかりました」と言って、実は何も腹落ちしていない
日本人の受け取り方でよく見られるのが、このパターンです。相手の話を聞きながら、「はい、わかりました」「気をつけます」と返事はする。その場の雰囲気も壊さない。
けれど内心では、「正直よくわからない」「本当にそれが問題なのか納得できていない」「何をどう直せばいいのか曖昧」という状態のまま終わってしまう。そんな経験をしたことありませんか。
これは一見、無難でスムーズな受け答えに見えますが、実はとても危険なパターンです。なぜなら、言った側は「伝わった」と思い、受け取った側は「消化できていない」。この小さなすれ違いが積み重なり、やがて次の評価の場で一気に表に出てくることになるからです。
一方、マッキンゼーで学んだことは、腑に落ちていないとき、指摘が抽象的でわかりにくいとき、具体的な改善方法が見えないときには、その場で必ず質問することが、ほぼ「義務」に近い感覚で求められること。
質問しないことは、「理解した」とみなされるのではなく、むしろ「改善する意欲が弱い」と受け取られてしまうことすらあるのです。
遠回しな優しさよりも、痛みを伴う「率直さ」が会社を強くする
こうしたつまずきを1つひとつ乗り越えていくことで、フィードバックは、やがて「恐怖の対象」から「改善に向けた共同の取り組み」へと姿を変えていきます。会話の焦点も、「どこがダメだったか」から、「次はどうすればもっと良くなるか」へと移っていきます。
そのため、フィードバックの最後には必ず、「では、次は何を変える?」「どこまでやってみる?」といった、次に向けた具体的な行動方針で締めくくられるようになります。ここまで落とし込まれて初めて、フィードバックは「言いっぱなし」でも「反省して終わり」でもない、「成長のための実務プロセス」として機能し始めるのです。
フィードバックには、言いにくいこともたくさん含まれています。言われて嬉しいことばかりではなく、時には落ち込むこともあります。それでも皆が率直に言い続けるのは、お互いの成長を本気で前提にしているからです。
だからこそ、その場しのぎの遠回しな優しさではなく、短期的には痛みを伴うことがあっても、あえて「率直さ」が選ばれ続けています。その積み重ねによって、個人の成長だけでなく、チーム全体、そして組織全体の成長へとつながっていくのです。
星 歩
元マッキンゼーパリ・現OECD職員
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