2.「人格」と「行動」を無意識に混同してしまう
フィードバックで多い失敗は、本人は「行動」について言っているつもりなのに、相手は「人格」を否定されたと受け取ってしまうケースです。たとえば、「詰めが甘いよね」「段取りが悪いよね」これらは、事実の指摘に見えて、実は「人そのもの」への評価になっています。
一方、マッキンゼーで学んだフィードバックの仕方は、「昨日17時のクライアントミーティングでのプレゼンテーションについてですが、結論自体は明確に伝わっていました。一方で、その結論に至った理由や、どのように改善すべきかといった具体的な解決策をもう少し補足できると、さらに説得力のあるプレゼンになったと思います」というように、時間・場所・対象を明確にし、あくまで「行動」だけに焦点を当てて伝えます。
このレベルまで具体化することで、相手も、「自分は否定されていない。改善すべき点を示されているだけだ」と受け止められるようになります。日本の職場で、つまずく人が多いのは、配慮のつもりの曖昧さが、結果的に相手を傷つけてしまうという点です。
3.本人に直接言わず、空中戦になる
日本の組織で多いのが、このパターンです。本人には言わない。代わりに、上司に言う。同僚に言う。飲み会で言う。気づけば、本人だけが「何が問題なのか」を知らない状態ができあがります。
マッキンゼーでは、この「本人不在の評価」を極端に嫌います。ルールはとてもシンプルで、「本人に言えないことは、誰にも言わない」です。どうしても直接言いにくい場合は、マネージャーが必ず「フィードバックの場」をつくります。決して裏で評価だけが進むことはありません。
ここで重要なのは、「仕組み」です。1対1面談のように、「フィードバックを言っていい場」「言われてもおかしくない場」を最初から制度として設けてしまう。そうすることで、「言う人が悪者になる構図」を防いでいます。

