「ただ我慢するだけ」ではキャリアが開けない
15年勤めた仏Googleを離れ独立…ロシア人メンターの教え
困難な状況に直面したとき、その出来事そのものよりも重要なのは、それをどう受け止め、どう行動するかです。私が出会った、フランスのGoogleで15年間働いていたロシア人のメンターは、その象徴的な存在です。
大手テック企業が相次いで大規模なリストラを実施していた時期、彼女は希望退職制度を利用し、長年勤めたGoogleを自ら去る決断をしました。安定したキャリアを手放すことは、誰にとっても簡単な選択ではありません。彼女にとっても、それは大きな人生の転機だったはずです。
その後、彼女は立ち止まることなく、新たな挑戦を次々と始めました。現在は、スタートアップの取締役員であり、アドバイザーであり、エンジェル投資家でもあります。そして、「自由」というテーマで毎週ニュースレターを何百人もの人に届けています。
会うたびに、彼女は以前にも増して充実した日々を送り、より一層輝いています。長年勤めた会社からの退職、それを失敗と捉えるか、それともチャンスに変えるかは、人それぞれだと思います。
「文化の違い」の捉え方で、結果は大きく変わる
フランス人CIOを前に課題を次々指摘…チャンスを失ってしまったドイツ人パートナー
また、さまざまなプロジェクトで直面する困難は、大きな成長の機会でもあります。異なる文化や価値観を持つ人々と仕事をする国際的なプロジェクトでは、そうした困難がより顕在化します。
ドイツ人のパートナーとともに、フランスのクライアント向けのITコスト削減プロジェクトに携わったことがあります。プロジェクト開始早々の会議で、そのドイツ人パートナーは、プロジェクト上の課題をフランス人のCIOの前で、ためらうことなく次々と指摘していきました。
内容自体は決して間違っていませんでしたが、その伝え方は非常に直接的なものでした。その結果、CIOの表情は次第に硬くなり、最終的には会議の途中で席を立ち、その場を後にしてしまいました。以降、十分なインプットを得られないまま、プロジェクトを進めざるを得ない状況に陥ってしまったのです。
文化やコミュニケーションの違いは、国際プロジェクトにおいて避けられないものです。しかし、その違いを「障害」と捉えるか、相手を理解するための「手がかり」と捉えるかで、結果は大きく変わります。
相手の背景や価値観に目を向け、その立場を尊重しながら対話を重ねる姿勢こそが、このプロジェクトの成功には必須要件でした。

