ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
世界の税金はどうなっているのか 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】
矢内一好(著)+ゴールドオンライン(編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
インフレ経済への転換や事業構造の変化
社会や経済の動向も気になるところです。コロナ禍がやっと終息したと思ったら、今度はウクライナ侵攻、パレスチナ紛争など地政学的なリスクが増大しています。
石油などエネルギー価格の動きや最近はコメの価格高騰の影響で日本のインフレ率は2年以上にわたって2%を上回っており、いまや欧米先進国では最も高い水準です。
さらにここにきてトランプ関税などによる経済の先行き不透明感が一気に拡大しており、定年や役職定年を迎える人たちも大きな影響を受けます。
例えば、2%のインフレ率がこのまま続くと今10万円で買えるものが10年後には12万2000円出さないと買えなくなります。その分、実質的に貯金や年金が目減りすることになります。
ここで思い出されるのが6年前に世間をにぎわせた「老後資金2000万円問題」です。2019年に金融庁が出した報告書で、無職の高齢世帯(夫婦のみ)の平均的な家計収支を試算したところ、毎月5万4520円が不足するとされたのです。
老後が30年と想定すると、約2000万円を貯蓄などでカバーする必要があり、これが2000万円ないと安心して老後を過ごせないということで大騒ぎになりました。
実際はさまざまな条件を前提としたシミュレーションにすぎませんが、インフレが続けば2000万円ではなくて3000万円が必要ということになるかもしれません。
現在の公的年金の仕組みでは年金の給付額が物価上昇(インフレ)に追いつくことは難しく、定年までに十分な貯蓄を確保するか、あるいはより長く働くことが必要なことは変わりません。
人手不足の実態
働くという意味では現在、日本は急速な人口の減少と高齢化で人手不足が深刻になっており、働く意欲のあるシニア世代にとっては追い風です。有効求人倍率の推移をみると、最近は過去を振り返ってもかなり高い水準です。
ただ、人手不足の実態に目を凝らすと別の様相も浮かび上がってきます。帝国データバンクの調査によると、人手不足の解消に向けて、大企業ほど「DXの推進」や「情報化関連(IT化、AI活用など)」といったデジタル投資に力を入れようとしています。
今後、人手不足から人材の確保・定着を求めるのは、大企業より中小企業が中心になっていくと考えられます。
人手不足とはいえ大企業の求人はそれほど多くないことは明らかです。定年世代が次の仕事を探す際も、こうした企業規模などによる違いを理解しておく必要があります。

