都内1人暮らしの若者を苦しめる「奨学金」の重圧
高卒と大卒では初任給に差があり、生涯年収では数千万円単位の開きが生じるとされています(厚生労働省調査)。そのため、「苦労してでも大学に行かせたい」と考える親は少なくありません。
一方で、その“親心”の結果として、社会に出た直後から返済負担に苦しむ若者がいるのも事実です。その象徴が奨学金制度です。
昨年度、都内の大学を卒業したAさん(23歳)は、日本学生支援機構の貸与型奨学金を利用して進学しました。現在はシステムエンジニアとして働きながら、都内で1人暮らしをしています。
「毎月2万円を15年返済の予定です。ボーナスで繰り上げればもう少し早く終わると思っています」
一見、現実的な返済計画に見えます。しかし新社会人の家計において、この2万円は決して軽い負担ではありません。
厚生労働省『令和6年賃金構造基本統計調査』によると、大卒新規学卒者の平均初任給は24万8,300円。額面は上昇傾向にあるものの、社会保険料や税負担の増加により手取りは大きく伸びていません。
さらに、都内の単身向け賃貸の家賃相場は1Kで7万~8万円前後。家賃補助がない場合、可処分所得のかなりの割合を住居費が占めます。
Aさんはこう語ります。
「生活費と奨学金返済でほぼ消えてしまって、貯金はほとんどできません。病気や事故で急な出費があったら本当に怖いです」
彼女が抱える奨学金残高は300万円超。社会人としてスタートした瞬間から、長期の負債を背負っている状態です。
奨学金は公的制度ですが、返済義務のある貸付です。延滞が続けば延滞金が発生し、保証人への請求や信用情報への登録が行われる場合もあります。いわゆる「借り逃げ」はできません。
新社会人にとって、長期にわたる固定負担として家計に重くのしかかります。
