四十九日や一周忌などの「法事」は、葬式費用にはあたらない
吉田課長「(9)の告別式までと(10)の火葬以降では、支出する内容も変わりますね」
はい。告別式までは、参列者へのもてなしに関する支出が中心でした。これに対し、火葬場へ移動したあとは、(11)のご遺体の火葬や納骨に伴う費用、そしてそれに関連する支出が葬式費用の中心になります。
ただし、この段階においても、(12)の火葬参列者に食事を提供する場合は、初七日の法事を開催したと認められない限り、葬式費用として扱われます。
吉田課長「火葬場で荼毘に付したあとに初七日の法事を行った場合はどうなりますか?」
被相続人の死亡後、遺族は初七日や四十九日、一周忌などの法事を営みます。しかし、これらの法事は、葬式とは別の行事であるため、葬式費用には該当しません。
吉田課長「葬儀とは別に納骨式を行った場合は?」
たしかに、四十九日の法事の日に納骨を行うことがありますね。これが「納骨式」です。納骨式では、通夜や告別式と同様に僧侶に来ていただき、読経などの儀式を経てお墓に納骨します。
この納骨式にかかるお布施や納骨式後の飲食代は、前掲3.(1)の「埋葬、火葬、納骨に要した費用」に該当するため、葬式費用として認められます。
吉田課長「実例があれば紹介してください」
国税不服審判所の例
昭和59年6月25日の国税不服審判所(以下「審判所」)の裁決事例で考えましょう。その状況は、次の1~4のようなものでした。
1.「三日目の仏事」
相続人が住んでいるA地方では、葬式当日に「三日目の仏事」が行われています。この仏事は、当初は死亡後三日目に死者を供養するために行われていました。しかし、現在は葬式当日に行われています。
2.出席者の選定、出席者への呼びかけ
「三日目の仏事」は、通夜の席で親族、知人および近隣のうちからあらかじめ選定した人に、葬式の通知とは別に通知をしています。
3.出席者による「御仏前等」の持参
「三日目の仏事」の当日には、いずれの出席者も香典とは別に、「御仏前等」として金員を持参しています。
4.三日目の引出物
三日目の引出物とは、引換券を使用して手渡した料理および引出物のふろしき包みのことです。「三日目の仏事」への出席者には、酒および料理等を出しています。それ以外では、三日目の引出物(総額109万円)を渡しています。
相続人は、三日目の引出物(総額109万円)を葬式費用として相続税の申告をしました。これに対して、税務署長は葬式費用に当たらないとして否認をしたので、審判所に審査請求をしたのです。
