(※画像はイメージです/PIXTA)

2026年1月の金市場動向から、高騰を支える要因と今後の展望についてみていきましょう。なお、本稿はステート・ストリート・インベストメント・マネジメントの4名のストラテジストによる共同執筆です。

政府と企業の「債務」が大幅に増加…金の需要をサポート

世界的にディベースメント(通貨価値の希薄化)懸念が広がり、借入れ水準が記録的な高さまで上昇するなか、フィアット通貨の代替資産として貴金属に対する投資家の需要は2025年に大幅に増加し、2026年も旺盛に推移する可能性があります。

 

2025年、政府と非金融企業の債務はドルベースで過去最高の210兆ドル、世界の国内総生産(GDP)の約182%にまで膨れ上がりました。過去25年間で、部門別債務の対GDP伸び率が年間でこれを上回ったのは、パンデミック危機のあった2020年と世界金融危機に見舞われた2008~2009年のみです※2

 

金融市場が、景気後退以外の環境での世界的な債務積み上がりを構造問題と捉えるなら、2026年に金価格が5,000ドルをつける支援材料になるでしょう。

 

世界の債務残高の増加は広範に見られるものの、特に新興国が主導しており、政府による借入がその拡大をけん引しています。政府予算に占める利払い費の割合が上昇すると、財政圧力や予算制約が露わになり、結果として世界的に金の魅力を直接高めます※3

 

さらに注目すべき点として、先進国でも人口知能(AI)やクリーンエネルギー関連の起債を受け、非金融企業の債務も急速に増加しており、初めて100兆ドルに迫る水準となっています※4

 

「持続不可能な債務」は過去のレジームでは投資家の目を問題の本質から逸らすものでした。しかし、金価格は過去わずか数年で1オンス2,000ドル弱から4,000ドル超に値を上げており、コロナ禍以降の現物需要と金融需要にけん引された金の高騰は、一部の資産配分者が今回は過去のレジームとは異なる可能性があるとみていることを示唆しています※5

 

債務が経済成長を上回るペースで積み上がり続け、その債務に占める政府の割合が拡大し続けるなら、金は、債券のイールドカーブ・スティープ化、フィアット通貨の購買力低下、先進国または新興国の債務再編リスクの上昇に対する主要な資産ヘッジ手段として、おそらく恩恵を受けるでしょう。

 

[図表2]米国の株式/債券および米ドル/金の四半期ごとの対数正規リターンの3年移動相関性★2

 

次ページポートフォリオ分散手段としての「金」

〈ご留意事項〉
本書は、投資の推奨や投資アドバイスを意図したものではなく、そのようなものとして依拠されるべきではありません。

本稿に示されている見解は2026年1月6日時点のSPDRゴールド戦略チームの見解であり、市場やその他の状況によって変わる場合があります。本資料には、将来の見通しと見なされる可能性のある記述が一部含まれています。その様な記述は、将来のパフォーマンスを保証するものではなく、実際の結果や展開はこれら予想とは大きく異なる場合がある点にご注意ください。

提供された情報は、投資助言に該当するものではなく、そのようなものとして依拠されるべきではありません。本情報は、有価証券の購入の勧誘または売却の申出とみなされるべきものではありません。本情報は、投資家の特定の投資目的、戦略、税務上の地位または投資期間を考慮したものではありません。ご自身の税務・財務アドバイザーにご相談ください。

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コモディティへの投資は大きなリスクを伴うため、すべての投資家に適した投資対象ではありません。

過去の実績は、将来の投資成果を保証するものではありません。

本資料は、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが作成したものをステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社が和訳したものです。内容については原文が優先されることをご了承下さい。

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〈注記〉
※1 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 12/31/2025
※2 Source: IIF, IMF, World Bank, SSIM estimates, as of 12/31/2025
※3 Source: IIF, SSIM, as of 12/31/2025
※4 Source: IIF, as of 12/31/2025
※5 Source: Bloomberg Financial L.P., as of 12/31/2025
※6 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 12/31/2025
※7 Source: Bloomberg Financial L.P., Federal Reserve Bank of St. Louis, and SSIM, as of 12/31/2025
※8 Source: Bloomberg Financial L.P., Federal Reserve Bank of St. Louis, and SSIM, as of 12/31/2025
※9 Source: Bloomberg Financial L.P., Federal Reserve Bank of St. Louis, and SSIM, as of 12/31/2025
※10 Source: Bloomberg Financial L.P., Federal Reserve Bank of St. Louis, and SSIM, as of 12/31/2025
※11 Source: Bloomberg Financial L.P., Federal Reserve Bank of St. Louis, and SSIM, as of 12/31/2025
※12 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 1/2/2026
※13 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 1/5/2026
※14 Source: World Gold Council, as of 10/31/2025
※15 Source: World Gold Council, as of 10/31/2025
※16 Source: World Gold Council, as of 12/31/2025
※17 Source: World Gold Council, as of 9/30/2025
※18 Source: World Gold Council, as of 12/31/2025
※19 Source: SSIM, World Gold Council, as of 12/31/2025
※20 Source: SSIM, as of 12/31/2025
※21 Source: SSIM, as of 12/31/2025

★1 出所:国際金融協会、国際通貨基金、世界銀行、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント。2025年12月31日時点

★2 出所:ブルームバーグ・ファイナンスL.P.、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント(1990年~2025年)

注:米国株式にはS&P500指数を、米国債券には投資適格の米ドル建て固定金利課税債券市場のパフォーマンスを測定するブルームバーグ米国総合指数を使用しています。金にはロンドン貴金属市場協会(LBMA)スポット価格終値、米ドルにはドル指数(DXY)を使用しています。

★3 出所:ブルームバーグ・フィナンシャルL.P.、セントルイス連邦準備銀行、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント。データは2025年12月31日時点

★4 出所:ベーカー・ブルーム・デイビス、ブルームバーグ・ファイナンスL.P.、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント。データは2026年1月5日時点

★5 出所:ワールド ゴールド カウンシル「金需要動向:2025年第3四半期」、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント データは2025年12月31日時点

★6 出所:ワールド ゴールド カウンシル、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント。データは2025年12月31日時点

〈用語集〉
中央銀行
一つの国または国家連合で用いられる通貨と信用の創造と分配を独立性を持って管理する金融機関。

COMEX
コモディティ(主に金、銀、銅、アルミニウム)の先物を取引する市場。

金のスポット価格
スポット市場における金の価格。国際的通貨コード「XAU」で表記される、1トロイオンス当たりの金価格。米ドル建て。

LBMA午後金価格(米ドル/オンス)
LBMA金価格はIBAが独立して管理し、価格算出のためのオークション・プラットフォームを提供していますが、知的所有権はLBMAに帰属します。プラットフォームは、電子的に取引および監査が可能で、証券監督者国際機構(IOSCO)の金融ベンチマークに関する原則に沿って設計されています。

実質金利
インフレ調整後の金利。物価上昇の影響を取り除くことで、真の借入れコストおよび投資による実際の利回りを反映します。

米連邦公開市場委員会(FOMC)
米連邦準備制度内にある委員会で、金融政策を決定します。

脱ドル化
各国が国際貿易、金融取引、外貨準備における米ドル依存を減らすプロセスで、多くの場合、その背景には地政学的動機、制裁リスク、自国通貨の主権確保の取り組みがあります。

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