(※写真はイメージです/PIXTA)

住宅選びは、人生の満足度を大きく左右します。価格や広さだけでなく、通勤時間、生活動線、将来のライフスタイルまで含めて考えなければなりません。なかでもタワーマンションは「贅沢」「見栄」といったイメージで語られがちですが、実際に住む人の評価は一様ではありません。今回は、世帯年収約1,800万円の30代共働き夫婦が、都心タワマン高層階で実感している“時間”と“生活の質(QOL)”についてみていきます。

「高い買い物」ではなく「時間を買った感覚」

「正直、安い買い物ではありません。でも、“時間を買った”と思っています」

 

そう語るのは、都内在住の会社員・佐藤直人さん(仮名・39歳)と妻の由紀さん(仮名・37歳)。直人さんはIT系企業で、由紀さんは専門職としてフルタイムで働いています。世帯年収は約1,800万円。数年前、都心主要駅から徒歩数分のタワーマンション高層階を購入しました。

 

「郊外の戸建ても検討しました。でも、往復2時間の通勤が毎日続く未来を想像して、これは違うなと」

 

結果的に、通勤時間は夫婦ともに片道20分前後に短縮。平日は朝の余裕が生まれ、帰宅後も“使える時間”が増えたといいます。

 

「以前は、平日は仕事して寝るだけ。休日も疲れを取るので精一杯でした」

 

今は、平日の夜に外食をしたり、ジムに立ち寄ったりする余裕があります。高層階のため、騒音が少なく、在宅勤務の日も集中しやすい環境です。

 

「仕事終わりに夜景を見るだけで、思考がリセットされる感じがします」

 

国土交通省『住生活総合調査』では、通勤時間が短い層ほど、住まいや生活全体に対する満足度が高い割合が多い傾向が示されています。住まいの立地が、日々の可処分時間や生活のゆとりに影響を与えていることがうかがえます。

 

タワマン暮らしの利点は、立地だけではありません。

 

「ディスポーザー、食洗機、24時間ゴミ出し。正直、これがない生活には戻れません」

 

さらに、共用部の清掃が行き届いているため、建物全体の管理負担を感じることも少ないといいます。必要に応じて家事代行を利用し、“やらなくていい家事”を増やした結果、夫婦の衝突も減りました。

 

「時間に余裕がないと、些細なことでイライラする。今は、喧嘩の種そのものが減りました」

 

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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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