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子育ては完璧だと思っていた母、娘からの衝撃の一言
「もう私に執着するのはやめて。孫がいなくて寂しいのは、お母さんの問題だよ。そろそろ自分の人生を充実させて」
今年の年始、1日だけ実家に顔を出した娘からそう言われた言葉が、今も頭から離れないと話すのは、神奈川県に住む67歳の齋藤祐未さん(仮名)です。
娘の里菜さん(32歳)は都内で暮らし、IT企業に勤めています。27歳のとき、学生時代の先輩だった悠太郎さん(35歳・仮名)と結婚しました。
祐未さんはこれまで、「結婚したのなら、いずれ子どももできるのだろう」と自然に考えていました。そして年始に娘とリビングでテレビを見ていた際、何気なくこう尋ねました。
「そういえば、子どもは考えていないの?」
すると返ってきたのは、予想外の答えでした。
「子どもはいらないんだ。夫もそう考えている」
驚いた祐未さんは、思わず理由を聞き返しました。里菜さんは物価上昇や社会不安、日本の先行きなどを挙げながら、「こんな世の中でまともに育てられるとは思えない」と話したといいます。
祐未さんも、つい言ってしまいました。
「そうは言っても、子どもは社会にとって必要なのよ」
会話は少しずつ熱を帯びていきました。
火に油を注いだ母の一言
祐未さんは、娘の話を聞きながらも、どこかで「仕事が忙しいだけなのでは」「タイミングの問題なのでは」と思っていました。
そして、里菜さんが仕事の話をしている流れで、こんな言葉を口にしてしまいます。
「悠太郎さんも稼いでいるんだし、妊活のために少しゆっくりしてもいいんじゃない?」
すると、里菜さんは激昂しました。
「お母さんの頃と時代は違うの。今だって努力してやっと今のポジションにつけたの。こんなことを言うつもりはなかったけれど、ぶっちゃけ私のほうが稼いでいるから」
祐未さんは、その強い口調に言葉を失ったといいます。
「私は“気遣い”のつもりだったんです。でも娘には、『仕事を軽く見られた』『女は一度立ち止まるものだと言われた』みたいに聞こえたのかもしれません」
“友達母娘”だと思っていたのに…ショックを受けた母
里菜さんはさらにこう続けました。
「お母さんを見ていたら、子どもを持ちたいとは思えない」
里菜さんは都内の中高一貫の女子校に進学し、有名私立大学を卒業。現在はIT企業で働いています。年収は600万円です。普段からLINEでやりとりし、休日は2人で二子玉川のカフェでお茶をすることも。祐未さんは「私たちみたいな親子を“友達母娘”って言うんだろうな」「子育ては成功だった」と思っていました。あとは孫ができれば、と。
しかし娘の受け止めは違っていました。
「お母さんは私にかかりっきりで、今思えば過干渉だった。学生の頃は、お母さんの愚痴を聞くのが私の役割だと思っていた」
夫は仕事で忙しく、義母との関係にも悩んでいた祐未さんは、一人娘に愚痴をぶつけてしまっていたと振り返ります。
「就職のタイミングで実家を出て、うちが普通じゃなかったと気づいた」と里菜さんは言いました。
「正解がわからないから、産もうと思えない」
里菜さんはこう語ったそうです。
「正直、正解が分からないのに子どもを産もうとは思えない。だったら共働きで貯蓄して運用して、海外に移住してもいいねと夫とも話しているの」
祐未さんは、娘のためを思って中学受験塾の送迎や弁当作り、大学受験のサポートまでしてきました。まさかそれが負担だったかもしれないとは、考えたこともありませんでした。確かに振り返ってみても就職時に「そうは言っても銀行も受けてみたら? 銀行で働いているお友達に頼んでみようか?」と頼まれてもないのにアドバイスしたこともありました。今思えばそれも娘にとっては「過干渉」だったのかもしれません。
友人からは「完璧な子育て」と言われていた祐未さん。
「正直、調子に乗っていた部分もあったと思います」とこぼしました。
