(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親が「年金だけでつつましく暮らしている」と語れば、子ども世代はその言葉を信じ、生活に困っていないか心配になるものです。しかし実際には、年金以外の収入源がありながら、それをあえて伏せている場合もあります。理由は「心配をかけたくない」だけでなく、「詮索されたくない」「自分のペースで暮らしたい」といった心理も影響しています。表向きの収入だけでは見えてこない、親の“本当の暮らし”があるのです。

単身高齢無職世帯の収入「約9割」が年金だが…

高齢者の主な収入源は年金ですが、それだけではありません。

 

総務省『家計調査(2024年)』によると、単身高齢無職世帯の可処分所得は月平均12.2万円で、収入の約9割を公的年金が占めています。しかし実際には、相続・家賃収入・副業(ネット販売など)・金融資産の取り崩しといった多様な収入を持つ高齢者も一定数存在します。

 

特に地方での不動産保有や、相続資産を活用している人は、表面的な年金額では把握できない経済的な余裕を持っていることもあるのです。

 

弘子さんが収入を隠していた背景には、単なる“謙遜”や“秘密主義”ではなく、「できるうちは自分でなんとかしたい」「わざわざ言うほどのことじゃない」といった、昭和世代らしい“自立”へのこだわりがあったようです。

 

高齢の親の暮らしを「年金生活だから」と一括りにしてしまうのは、早計かもしれません。

 

高齢の親の暮らしぶりを「年金だけ」と決めつけてしまうのは、実情とズレていることもあります。家計の数字の奥にある、その人なりの思いや考え方に耳を傾けることが、親子関係をより穏やかなものにする鍵となりそうです。

 

 

 \1月20日(火)ライブ配信/
調査官は重加算税をかけたがる
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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