(※写真はイメージです/PIXTA)

「孫に会えるのを楽しみにしている」祖父母は多い一方で、身体的・経済的な負担を感じているケースも少なくありません。とくに、子世帯が“宿泊込み”で帰省するたびに、光熱費や食費、家事の負担が増し、「正直、しんどい」と感じる高齢者も。総務省『家計調査(2024年)』によれば、高齢単身世帯の1ヵ月の支出は約15万円。年金などで収入があっても、物価高騰や医療費の増加、住宅の維持費などにより、「家族をもてなす余裕」がなくなっている高齢者は少なくありません。今回は、息子一家の帰省を「心から歓迎できなくなった」66歳の女性のエピソードを通して、高齢者の“見えにくい負担”について考えます。

3泊4日の「にぎやかな疲労」

都内のマンションで一人暮らしをしている川田志津子さん(66歳・仮名)は、月額約23万円の年金で暮らしています。配偶者は早くに他界し、生活はつつましいものの、年金だけでやりくりできているといいます。

 

毎年、お盆や年末には長男の家族4人(夫婦+小学生と保育園児の2人)が3泊4日で実家に滞在していました。久しぶりに会う孫たちは可愛く、「最初のうちは、帰ってくるのが楽しみだった」と志津子さんは話します。

 

「でもね、年々きつくなってきたの。買い物から掃除、食事の準備に洗濯まで、私ひとりでやるんだもの」

 

朝から夕食の支度、使った布団の片づけ、孫の遊び相手、さらに大量の洗濯。「疲れが3日残るようになった」と感じた頃から、「帰ってくれてホッとする」という気持ちが芽生えてきたといいます。

 

経済的な負担も、歓迎できなくなった理由の一つでした。帰省前に買い込む食材費、お菓子や飲み物、外食やレジャーの費用の一部も「自然とこちらが出す」流れになっていたといいます。

 

「2万も3万も減るわけじゃないけど、“今月ちょっと厳しいかも”ってなるの。老後は“予想外の出費”が一番こわいのよね」

 

志津子さんは、持病の治療で月に数千円の通院費がかかっており、光熱費や保険料、共益費なども含めると年金の多くが“決まった支出”に消えていく生活です。家族の帰省によって予期せぬ出費が増えることは、高齢者にとって心理的にも現実的にも大きな負担になります。

 

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