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定年直前からの「投資による資産増強」構想は、リスキーすぎる
最近では、定年目前となってから「老後資金が不足しそうだから、投資で増やそう」と考える人も多いようです。なかには、金融機関から「わが社の投資商品で大きく稼ぎ、老後資金の不足を補いましょう」といった誘いを受けている人もいるでしょう。
しかし、投資には必ずリスクが伴います。「老後資金が足りないから投資をしたのに、損をして悲惨な老後を過ごすハメになった」という事態は避けたいものです。
筆者は投資そのものを否定するわけではありませんが、投資には2つのタイプがあると考えています。
ひとつは「銀行預金はインフレに弱いリスク資産だから、インフレに強い株や外貨を一部組み入れることで安全性を高める」という守りの投資。もうひとつは、「資金に余裕があるから投資で大きく増やし、リッチな老後を楽しむ」という余裕の投資です。資金が足りないから投資する、という発想はリスクが大きすぎます。
老後資金が足りないなら、まずは働いて収入を得ることを考えましょう。生活を見直して支出を抑えることも大切ですが、それについては別の機会に触れるとして、本稿では「働いて稼ぐ」ことを重視します。
もちろん、ビールを発泡酒でガマンするといった「節約」も重要ですが、節約しすぎると心の余裕がなくなりますから、筆者は「まずは働いて稼ぐこと、次に生活の見直し。それでも足りなければ節約」という順序が望ましいと思います。
①元気なら働く→定年前から再就職先に目星をつける
サザエさんの登場人物である波平氏は54歳という設定です。高度成長期の定年が55歳であったのも頷けますね。いまの高齢者のなかには波平氏より元気な人が大勢いますので、そういう人はおおいに働いて稼げばいいでしょう。たしかに平均寿命は延びていますが、それに伴い健康寿命も延びているので、元気なあいだ働けば、実際の「老後」はそれほど長くない可能性もあります。
自営業者は明確な定年がないことから、元気なうちは現役として働いておおいに稼ぐことができます。年金を受け取り始めたあとも給与収入があれば、年金をそのまま老後資金として貯めておくこともできますから、その分安心が増えるでしょう。
他方、サラリーマン(男女を問わず、公務員等を含む。以下同様)も、元気なあいだは働いて稼ぎましょう。といっても、働き方には工夫が必要かもしれません。定年後は再雇用がいちばんの安全パイなのでしょうが、昔の部下にお仕えするのは心理的に辛いでしょうし、数年間の期限付きの雇用となる場合も少なくありません。
したがって、「現役時代の経験が生かせる再就職先を探す」というのも選択肢のひとつです。中小企業のなかには経理や人事管理などの専門家が足りない職場も多いため、現役時代に経理や人事管理などの経験がある人は歓迎されるかもしれません。
また、最近は副業を認めている会社も多いようですから、出世競争に目処がたった段階で、副業として転職先探しを始める、というのも検討する価値があります。自分が必要とされている会社を探すと同時に、実際に働いて社内の雰囲気を体感することができます。
あるいは、「老後は夫婦で喫茶店を経営したい」といった夢を持っている人もいるでしょう。もっとも、老後資金の大半を開業資金につぎ込んでしまうと、失敗した時のリスクが大きすぎるので、なるべく開業資金が小さくてすむような工夫は必要でしょう。それから、喫茶店でアルバイトをしてノウハウも身につけるべきことも当然ですね。
いずれの場合にも共通するのは、「サラリーマン時代は年功序列で大事にされていたが、これからは謙虚さが必要だ」ということです。気持ちの切り替えが大事です。
②専業主婦も働く→厚生年金への加入を目指す
専業主婦(夫)も働きましょう。高度成長期は子どもの数が多く、洗濯機も掃除機もコンビニ弁当もなかったのですから、それと比べれば働きに出ることは容易でしょう。そうでなくとも、子育てが一巡したあとは、働きましょう。
どうせ働くなら、厚生年金に加入できるような働き方をすると、老後の生活が安定します。配偶者がサラリーマンである場合には、厚生年金保険料を支払わなくてすむような働き方を選ぶ人もいるようですが、よほど資金繰りに困っているのでなければ、老後の安定を重視する方が良いと筆者は考えています。
そして、よほど資金繰りに困っている人は、思い切り働いて「厚生年金保険料を支払っても手取りが増える」ことを目指しましょう。
③就労のメリットを知る→心身の健康のほか「広義の保険」にも
定年後のサラリーマンが働くことは、収入面以外にも、社会との接点を保つ、生活のリズムを保つ、社会に貢献しているという満足感を持てる、といった多くのメリットがあります。
専業主婦(夫)が働くことにも、同様のメリットがありますが、加えて「広義の保険」というメリットもあります。配偶者が失業したり死亡したり、配偶者と離婚したりした場合、自分が働いていることで最悪の事態を免れることができるからです。
なお、正社員が結婚や出産を期に退職するケースも多いですが、可能であれば正社員の地位を死守してはいかがでしょうか。家事代行やベビーシッター等々の費用がかさみますが、生涯所得を考えれば遥かに得になりますから。
本稿は以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。
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塚崎 公義
経済評論家
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