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インフルエンサーとして働く父
佐竹修一さん(仮名/40歳)は現在、都内郊外のマンションで妻の由衣さん(仮名)と2人の子どもと暮らしています。そんな佐竹さんのお仕事は「インフルエンサー」。SNSで情報発信し、主に子育て世代や一人暮らし世帯から支持を受け、フォロワー数は5万人を超えました。
(※本記事では、ご家族のプライバシー保護の観点から、ご本人の同意のもと、お名前を仮名として紹介します)
SNSの広告収入に加え、SNS発信についてのコンサル業務も行っており、年間の売上は300万〜400万円。経費はほとんどかからず、会社員時代と同水準の収入を確保しています。
「子どもが生まれてから、成長を見守れない働き方に疑問を感じた」と語る佐竹さん。会社員時代からSNSでの発信を始め、生活できる目途が立ったところで会社を辞めました。在宅ワークに切り替え、子どもの送迎や家事を率先して担うようになりました。
妻の由衣さんは、佐竹さんの独立を機に時短勤務からフルタイムに復職。現在は夫婦あわせて世帯収入約600万円台となり、贅沢はできませんが家事・育児の分担もバランスが取れた、充実した共働き生活を送っています。
この佐竹さんの「家族を優先する」働き方は、実は彼自身の幼き日の父の姿に、大きな影響を受けていました。
「父が働いている姿はほとんど見たことがありません」
佐竹さんの父・大輔さん(仮名/68歳)は、同世代が年金や再雇用で暮らすのを横目に、いまや法人で複数のアパートやマンションを所有し、役員報酬も含めた年収は6,000万円以上にものぼる資産家です。
しかし、もともとは大手企業の営業職として毎日忙しく働いていました。佐竹さんが生まれたころ、ほとんど家に帰らず仕事三昧。大輔さんは、土日も接待や商談が入る生活に疑問を持ち、「このままでは家族の記憶に自分が残らない」と30歳手前で不動産投資をスタートしました。
少しずつ物件を増やし、30代半ばでサラリーマンを卒業。佐竹さんが小学生のころ、佐竹さんが小学生のころ、学校から帰ると、いつも父が家で「おかえり」と迎えてくれ、宿題を見たり、公園でキャッチボールをしたりした記憶が残っています。平日に旅行にも頻繁に連れて行ってもらい、「お父さんはいつも家にいる人」というイメージが自然と根づきました。
その影響もあってか、「家庭を大切にしたい」「子どものそばにいたい」という価値観が、佐竹さんにも受け継がれていたのです。

