(※写真はイメージです/PIXTA)

家族の介護が始まると、多くの人が「いまの生活をどう維持するか」という現実に直面します。特に独身世帯や一人っ子にとって、親の介護費用の負担は死活問題です。しかし、認知症や関係性の悪化によって「話し合い」すら困難になったとき、個人の努力だけでは防げない経済的破綻のリスクが忍び寄ります。本記事では、社会保険労務士法人エニシアFP共同代表の三藤桂子氏がAさんの事例とともに、介護離職の本当の怖さについて解説します。※事例は、プライバシーのため一部脚色して記事化したものです。

「箱入り娘」という名の檻と、最初の介護

Aさんは55歳の独身女性。一人っ子として、「女の子だから」と両親から過保護かつ厳格に育てられました。学生時代は、友人の家で遊んでいても門限が夕方5時。夏休みに友人宅にお泊りをしようと計画したものの、両親の許しが出ずに1人だけ日帰りでした。大学卒業後、都内に就職を希望するものの、「お前みたいな世間知らずが東京に行くと、悪い人に引っかかってしまう」と希望は叶わず、地元の製造業に就職することになりました。

 

Aさんの「当たり前」が崩れたのは40代に差し掛かったころ。78歳の父が駐車場の輪留めに引っかかって転倒し、足を骨折しました。動けないストレスを母とAさんにぶつけるように。母1人で体重のある父の介護はできず、Aさんは介護休業を取得します。

 

イライラを募らせる父によって家中が険悪。誰にも相談できずにいたところ、3ヵ月後、父は心筋梗塞で急死しました。「いけないと思いつつもホッとした気持ちになってしまった」それが、Aさんの本音でした。

母の変貌と「介護離職」への坂道

父の死から3年後、今度は81歳の母が転倒し腰を強打、圧迫骨折します。父が亡くなって仕事に復帰したAさんでしたが、この3年間、母との会話に少しずつ違和感を覚えることが増えていました。最初は耳の聞こえが悪くなったからだと思っていましたが、同時に認知が進んでいたのかもしれません。圧迫骨折を機に、また介護が必要になったのです。

 

父のときに母も辛い思いをしたから、介護する側の気持ちをわかってくれるだろうと思っていましたが、母は自分中心に話をするようになり、Aさんが話しかけても聞いてもらえず、言いたい放題。Aさんは、母親の介護でも介護休業を取得しますが、介護休業の93日を使いきっても、1人で動けるのはトイレ程度。お風呂は支えがないと入れません。認知症の不安定さを考えると正社員で働くことに難しさを感じ、上司に相談のうえ、半日のパート勤務へ契約を変更しました。

 

Aさんは、母に施設をと考えましたが、「親を見捨てるのか、他人に介護されるのは嫌だ」と言い放ち、しばらくは介護認定も受けずに1人で介護を担います。介護されていた父は、たびたび母とAさんを罵っていましたが、今度は母がAさんを罵るようになりました。仕事から帰宅すると、母は「仕事と偽って遊んでいるのだろう」と疑ってきたりします。Aさんは、極限まで追い詰められ、ついには仕事を辞めることを決断しました。

無料セミナー(会場+オンライン)

【資産運用】3月26日(水)開催

<WBCオフィシャルパートナー特別企画>
里崎 智也氏×上重アナが語る!世界を制した「リード術」

次ページ決別を迎えたワケ

※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 石福金属工業のお知らせ 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧