円安・株高は「高市トレード」では説明できない…新政権誕生前から生まれていた“一段安のトリガー”と今月の予想レンジ〈148~156円〉の根拠【国際金融アナリストが解説】

11月5日~11月10日の「FX投資戦略」ポイント

円安・株高は「高市トレード」では説明できない…新政権誕生前から生まれていた“一段安のトリガー”と今月の予想レンジ〈148~156円〉の根拠【国際金融アナリストが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

10月の米ドル/円は、「高市新政権誕生」をきっかけに154円台まで上昇。円安・株高の流れが加速しました。しかし、マネックス証券チーフFXコンサルタント・吉田恒氏は、その背景を「高市トレード」として説明するには違和感があるといいます。そこで本記事では、円安・株高を主導した"懸念”と今月の予想レンジと注目材料についてみていきましょう。

11月5日~11月10日の「FX投資戦略」ポイント

<ポイント>

・10月の米ドル/円は、高市新政権の誕生を主なきっかけに154円まで一段高となった。

・ただし、円安と株高の背景を「高市トレード」で説明するのは違和感あり。11月は例年、ポジション調整が本格化しやすい時期なだけに、円安・株高が調整に向かう可能性もあるのではないか。

・11月の米ドル/円は「148~156円」と予想する(第1週予想は末尾を参照のこと)。

高市新政権誕生をきっかけに、154円まで円安が進んだ10月

10月の米ドル/円は、自民党総裁選で高市早苗氏が選出されたことを契機に一段高となりました。さらに高市氏が新総理に就任し新内閣が発足すると、米ドル/円は154円台まで上昇。2月以来の米ドル高・円安水準を記録しました(図表1参照)。

 

この動きを「高市トレードの結果」とする見方もありますが、その説明にはやや違和感があります。

 

出所:マネックストレーダーFX
[図表1]米ドル/円の週足チャート(2025年1月~) 出所:マネックストレーダーFX

 

似たようなネーミングとして知られるのが、2024年11月の米大統領選挙前後に話題となった「トランプ・トレード」です。

 

これは、トランプ氏の経済政策(関税強化や大型減税)を背景に米金利上昇→日米の金利差拡大→米ドル高進行という構図で、実際当時の米ドル高・円安は日米の金利差の拡大に沿ったものでした(図表2参照)。

 

では、今回の「高市トレード」による円売りはなにを意味しているのでしょうか。

 

出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成
[図表2]米ドル/円と日米10年債利回り差の推移(2024年7月~2025年1月) 出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

 

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