「ホンダ」希望退職、「日産」工場閉鎖…中国市場で“総崩れ”の日本車メーカー。最後の砦「トヨタ」も例外ではない苦境

「ホンダ」希望退職、「日産」工場閉鎖…中国市場で“総崩れ”の日本車メーカー。最後の砦「トヨタ」も例外ではない苦境
(※写真はイメージです/PIXTA)

かつて高品質と低燃費を武器に中国市場を席巻した日本車が、今、深刻な転換期を迎えている。BYDなど現地メーカーのNEV攻勢の前にシェアは急落。ホンダは希望退職に踏み切り、日産は工場を閉鎖。最後の砦と見られたトヨタでさえ、ブランド力の低下が囁かれる。湯進氏の著書『2040中国自動車が世界を席巻する日』(日本経済新聞出版)より、中国市場における日本の自動車メーカー各社の戦略と課題を分析していく。

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ホンダ、日産、マツダ、トヨタの中国事業の現在地

市場の変調は、ガソリン車を中心とする日系自動車メーカーの中国事業に影響を与えはじめ、各社の明暗を分けている。2025年以降の中国市場で日本車は再興できるのか。各社の主力モデルの立ち位置から、今後の見通しを考えてみたい。

 

2020年をピークに低迷続く窮地の「ホンダ」

ホンダの中国事業は1990年代、二輪車の合弁事業から始まった。1998年には、広州汽車との合弁で広州ホンダを設立し、2003年に東風汽車と合弁で東風ホンダを設立し、現在に至っている。

 

主力モデルは中国の合弁会社2社から新車をそれぞれ投入する兄弟車戦略を実施しており、着実に製品競争力を高めてきた。HVの投入もあり、2020年には販売台数162.3万台を記録し、日本勢でトップのトヨタとの差を17万台まで縮めた。しかし、現在のところ2020年が販売のピークであり、主力モデルの低迷が続いている。

 

2016年以降、ホンダは、高効率ハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」を投入し、HVラインアップの拡大を進めてきた。HVの中国販売台数は2021年に23万台を記録した後、減少する傾向にあり、2024年には約11万台にとどまった。ホンダのHVは、ガソリン車と比較して、CO2排出量の低減や省エネを実現しているものの、PHVやEVの増加により、中国で「技術のホンダ」を象徴するパワートレインの優位性をアピールするのは困難となっている。

 

またホンダは、1つのプラットフォームをベースに内外装を変えることで、中国の合弁会社2社から新車をそれぞれ投入する兄弟車戦略を実施している。クロスオーバーSUVの「CR-V」(東風ホンダ)と「ブリーズ」(広汽ホンダ)、グローバルミッドサイズプラットフォームを採用した「インスパイア」(東風ホンダ)と「アコード」(広汽ホンダ)、ハッチバックの「シビック」(東風ホンダ)と「インテグラ」(広汽ホンダ)のように、兄弟車が存在する。

 

ガソリン車市場のパイが縮小するなか、ディーラーの値引き競争を受け、ホンダの兄弟車同士でカニバリゼーションを起こしている。

 

中国勢が仕掛ける値下げ競争に慎重な姿勢を続け、在庫が積み上がっている。ホンダは2024年に従業員14%にあたる1700人規模の希望退職者の募集を実施し、コスト削減を行う一方、中国にある7工場のうち3工場で稼働を止め、生産能力は2024年の149万台から現在は96万台に減少した(EV工場を除く)。2024年の中国販売台数は3割減の85.2万台となり、100万台を下回った。

 

生き残りをかけてEVシフトを進めるホンダは、今後ガソリン車の事業規模をさらに縮小せざるを得ない。

 

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※本連載は、湯 進氏による著書『2040 中国自動車が世界を席巻する日』(日本経済新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

2040 中国自動車が世界を席巻する日

2040 中国自動車が世界を席巻する日

湯 進

日本経済新聞出版

BYDの実力、群雄割拠の各社の戦略、CATLが見ている未来……。 知能化でどう変わるのか、産業政策の実態は、日本企業は2040年の市場で勝てるのか――。電動化を追い風に爆発的に成長した中国自動車産業。本書は、成長を生み…

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