ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
富裕層の資産承継と相続税 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
「パクリ」から始まり…トヨタを追う、BYD20年の歩み
かつて「トヨタ車のパクリ」と揶揄されたこともあるBYDだが、日米欧メーカーに学びながら技術やデザインを磨いてきた。特にトヨタを研究し、数十年にわたり多くを見習っている。
自動織機でのノウハウをもとに自動車開発を始めたトヨタは、機械工学技術を内燃機関車で活用する歩みを研究し、「トヨタ生産方式」と呼ばれる手法で、改善と無駄の排除、サプライチェーン管理を組み合わせて、自動車製造を極めた最高峰に到達した。
BYDは、電池技術を活用する新エネルギー車において、ランプ、シートから電池、半導体に至るまで、部品を自社生産する垂直統合戦略で、トヨタと同様に、効率性を追求しコストダウンと効率性の向上につなげた。
BYDはトヨタと同様、自社の強みを言い立てることなく、淡々と結果を出すタイプである。両社とも国内で技術を磨き、海外に進出する際は、その市場があまり発展していない国から手をつけた。
トヨタ車の輸出台数は1955~61年の7年間で40倍以上に増えた後、増加の一途をたどった。BYDの輸出台数は2021年の2万台から2025年の約100万台へと急増する見込みだ。海外進出・サプライチェーン・販売網の構築などトヨタの海外展開も、BYDの研究対象である。
ともに2003年参入のテスラは「棲み分け」から「競合」へ変化
BYDとテスラは、ともに2003年に自動車産業に参入して以来、急成長を遂げてきた。ハイエンド車から参入したテスラとは真逆に、BYDは大衆車マーケットをターゲットとする中価格ブランドを中心に展開している。
BYDはテスラのEV「モデルS」の構造を徹底的に分析し、熱マネジメントシステム「オクトバルブ」、自動運転向けハードウエア「HW」、一体成型技術「ギガキャスト」も研究し、消費者ニーズに合わせた商品開発や技術の改良に取り組んでいる。電池などコア部品をEVに特化して一貫して生産するビジネスモデルはテスラとも重なるが、両社の製品はかつての棲み分けから競合となっている。
わずか3年で累計生産台数1000万台に到達…驚異の「BYDスピード」
BYDのNEVの累計生産台数は、2024年11月に世界初の1000万台に到達した。生産台数100万台から600万台までの所要年数は2年、600万台から1000万台まではわずか1年と、「BYDスピード」をPRした。
ただ、最初の100万台を生産するのに、テスラは12年、BYDは13年、両社ともに長い年月を要した。