「禁輸140社」米国の規制強化で“覚醒”した中国半導体…官民総出で挑む、自動車産業〈脱・海外依存〉

「禁輸140社」米国の規制強化で“覚醒”した中国半導体…官民総出で挑む、自動車産業〈脱・海外依存〉
(※写真はイメージです/PIXTA)

米国による「半導体輸出規制」の強化が、中国の技術自立を加速させている。2024年12月に発表された新たな規制では、140社が事実上の禁輸リストに追加された。しかし、中国はこれを受け、国策基金の設立や企業間連携を通じて、官民をあげて「国産化」へと舵を切っている――。湯進氏の著書『2040中国自動車が世界を席巻する日』(日本経済新聞出版)より、“輸出規制”が促す中国の「半導体国産化戦略」についてみていく。

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先端装置は米規制下で苦戦…キャッチアップ戦略で巻き返しなるか

家電や自動車に使われる最先端以外の成熟品分野において、中国が世界生産能力の2割強を占めている【図表2】。一方、最先端の半導体回路は、数ナノ(ナノは10億分の1)メートル水準にまで微細化が進んでいる。

 

出所:日本経済新聞電子版「検証中国製造2025」2025年4月21日付(元データは米商務省、SEMI、BSG)
[図表2]中国半導体の分野別生産能力のシェア(2022年) 出所:日本経済新聞電子版「検証中国製造2025」2025年4月21日付(元データは米商務省、SEMI、BSG)

 

先端品に欠かせない製造装置、素材、設計ソフトは、日米欧のシェアが高い。米国主導の規制で中国のキャッチアップを抑え込んでおり、中国企業は最先端品を開発、製造する能力を持つには至っていないため、中長期的な視点に立ち、キャッチアップ戦略を推進している。

 

自動車業界に強い影響力を持つ中国工業情報化省元トップの苗圩氏は2022年末に自動車大手に対し、半導体をすべて国産に切り替えることを要請していた。

 

中国工業情報化省が「国家自動車半導体標準システム構築ガイドライン」を策定し、2025年までに重要な30種類以上の車載半導体で技術標準を策定し、2030年までに70種類以上に広げることを求めた。完成車や中核システムに関わる半導体の性能テストを整備することで、安全性や信頼性を確保する。

 

標準策定をテコに自動車メーカーと半導体企業の密接な連携を実現し、政府系機関の認証を活用して自動車メーカーの自国製品の搭載を促すとみられる。

 

企業間連携を促進し、海外大手の輸入を国産で代替できる体制を整え、米国の輸出規制などに影響を受けない国内サプライチェーンを構築する。

 

近年、半導体製造受託の中芯国際集成電路製造(SMIC)やメモリーの長江存儲科技(YMTC)など地場大手半導体メーカーは、政府系ファンドなどの豊富な資金支援をもとに事業拡大に取り組んでおり、日米メーカーの中国人経験者や技術者を高待遇で国内に誘致し、技術のキャッチアップを急いでいる。

 

また半導体の製造装置や材料の技術を入手するため、外国企業の買収も視野に入れている。なかでも、OSや半導体で自前のものに切り替えを進めているファーウェイとシャオミの動きは目立つ。

 

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※本連載は、湯 進氏による著書『2040 中国自動車が世界を席巻する日』(日本経済新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

2040 中国自動車が世界を席巻する日

2040 中国自動車が世界を席巻する日

湯 進

日本経済新聞出版

BYDの実力、群雄割拠の各社の戦略、CATLが見ている未来……。 知能化でどう変わるのか、産業政策の実態は、日本企業は2040年の市場で勝てるのか――。電動化を追い風に爆発的に成長した中国自動車産業。本書は、成長を生み…

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