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航続距離や機能によって細分化する「フルライン戦略」
BYDは現在、「王朝」シリーズや「海洋」シリーズを展開するBYDブランド、高価格帯の「騰勢」ブランドとオフロードブランド「方程豹」、超高級車「仰望」ブランドを展開している。
Pro(第1世代)、PLUS(第2世代)、L(第3世代)、M(第4世代)の順で展開しており、多様な車種をそろえ、常に新モデルや新技術を投入している【図表1】。
主力の海洋シリーズには、低価格のハッチバック「シーガル」、大衆向けコンパクトカー「ドルフィン」、中高級セダン「シール」、SUV「シーライオン07」があり、王朝シリーズには大衆向けセダン「秦PLUS」とSUV「元PLUS」、中価格SUV「宋PLUS」、中高級セダン「漢」「宋L」がある。
こうしてBYDは航続距離や搭載する機能によって商品を分け、フルライン戦略で商品投入をし、特に売れ筋の価格帯をきめ細かに攻める。
一方、王朝シリーズと海洋シリーズなど自社同士でのシェアの奪い合いも起こりかねず、合理的なラインアップの整理が必要となる。テスラのイーロン・マスクCEOは2024年の決算会議で、「貿易障壁が設けられなければ、中国自動車メーカーが他国の競合相手を潰し、世界市場で大きな成功を収める」と中国メーカーの強さを指摘した。
PHVを含むBYD販売台数は2023年にテスラを抜き、2025年にはEVだけでも世界の首位に立つ。自動車業界の後発組が、競合他社とは異なる技術路線で生産性や効率性の向上に注力したことは、BYDとテスラの成長の共通点であろう。
ここに来てトヨタにとってBYDは、中国での合弁相手であると同時に、世界で手ごわいライバルになりそうだ。
