金利一覧表を基に、銀行は高金利を設定…
「銀行交渉に大切なのは、信頼関係です!」
「ウチは信用があるから、これだけの額を貸してもらえます!」
などなど・・・。誤った認識で、不利な条件をのまされている会社を、たくさん見てきました。
現代の銀行交渉に、義理・人情は通じません。銀行にとっては、生き残りをかけた、仁義なき戦い、なのです。企業側も、その心づもりで臨まねばならないのです。
複数の銀行から融資を受けている企業でのことです。どの融資も、妙に金利が高いのです。3%とか、4%とか、なのです。
「ウチの業界では、こんなもんですよ」
「これでも昔より下がりましたよ」
最初はそう言っておられました。しかし、その本人も、気になって担当者に聞いてみました。銀行担当者は、永年勤務している、総務部長だったのです。
すると、大変なことが判明しました。その担当者は各借入先に、各銀行の金利一覧表を、毎年渡していたのです。
「どうしてそんな大事なものを渡すんだ!」
「えっ、それは・・・、これまで毎年渡してますから・・・」
これでは、金利が下がらないわけです。
複数の銀行から借りている、というのは、複数の仕入れ先から仕入れている、ということです。どの仕入れ先からいくらで仕入れているか、という資料を、各仕入れ先に渡しているのと同じ事です。
経営者は、銀行の要求や提出資料をすべて把握すべき
その総務部長の頭の中には、「借りる」ということしかないのです。さらに、「借りられなかったらどうしよう」という思いがあったのです。
そのため、銀行サマサマ病になり、金利一覧表を、恒例行事のように渡していたのです。金利が高いとか安いとか、考えたことがなかったのです。
銀行にとったら、こんなにおいしい資料はありません。ライバル銀行の手の内が見えるのですから。だから、どこの会社ででももらっているかのごとく、
「今年も金利一覧表をいただけますか?」
と、平然と要求していたのです。で、銀行間で口裏を合わせたかのごとく、高金利が並んでいたのです。
銀行からは、さまざまな資料提出が求められます。必要なものならよいでしょう。しかし、経営者の知らないところで、不必要な資料を、担当者が何も気にせず渡している、ということもあるのです。
銀行からどのような資料提示を要求されたか?
実際にどの資料を渡したのか?
経営者以外の方が銀行との折衝をしている場合は、自分の目と耳で、確認しておいてください。衝撃の事実が発覚するかもしれませんよ。