「ずっと以前からいただいておりますので・・・」
銀行融資を受けていると、毎年決算書の提出を求められます。それはわかるのですが、「えっ? どうして必要なの?」という場合があります。
「うちはなぜか毎年、リース会社に決算書を渡してたんですよ!」
という企業がありました。それはおかしいと思い、社内の担当者に聞いたそうです。
「ずっと以前からそうしてますので・・・」
という返事だったそうです。
同時にリース会社の担当者にも聞いたそうです。すると、
「ずっと、以前からいただいておりますので・・・」
と、同じ返事なのです。結局、もらう方も、渡す方も、その目的を知らずに、受け渡しをしていた、ということです。
何のために決算書が必要なのか、把握することが必要
理由も無く決算書を渡すことはしたくないので、
「もう今後は決算書をお渡ししませんので」
と、リース会社に伝えました。すると先方は、
「どうなっても知りませんよ」
と、言ってきたそうです。とはいうものの、結局、何事も起こっていないのです。
今回の場合、おそらく、契約をスタートした当初のやりとりが、慣例化してしまった、ということだと思うのです。
渡すにしても、
どの部分が必要なのか?
何のために必要なのか?
を、しっかりと確認してほしいのです。そして、必要最小限の部分だけを、渡せば良いのです。
決算書には、財務体質が現れます。財務体質がわかれば、管理の体質が見えてきます。管理の体質には、経営姿勢が見えてきます。
だから、決算書は、むやみに渡すものではないのです。現在どこに決算書を渡しているか、全部を把握できていますか?