「汚職さえなければ…」フィリピン財務長官が漏らした本音。格付け引き上げ好機を逃した内幕

10月21日週「最新・フィリピン」ニュース

「汚職さえなければ…」フィリピン財務長官が漏らした本音。格付け引き上げ好機を逃した内幕
写真:PIXTA

​S&Pによる信用格付け「A」格への引き上げが目前だったフィリピン。しかし、数十億ペソ規模の治水プロジェクトを巡る汚職スキャンダルが、その絶好の機会を奪いました。「治水問題さえなければ…」。財務長官が漏らした本音の背景とは。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクター・家村均氏が、現地から最新状況を解説するフィリピンレポート。格付け引き上げを逃した内幕と国の信頼を揺るがす問題の核心、さらにはフィリピンの安全保障の現状と国民感情について解説していきます。

ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)

『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)

『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

比国民の大多数、最も頼れる同盟国として「米国」を評価

南シナ海における中国の一方的な海洋進出への懸念が高まるなか、フィリピン国民の大多数が米国を最も信頼できる同盟国と評価していることが、世論調査で明らかになりました。

 

非政府組織「We Protect our Seas (WPS)」がPulse Asia Research, Inc.に委託した調査結果によると、回答者の77%が、中国の威嚇行為への対応と海洋権益の保護において、米国を最も支援能力の高い国として挙げました。

 

WPSは、この結果は「フィリピンと米国の同盟関係の永続的な強さと、南シナ海における地域の安定維持および国際法の遵守における米国の役割に対する広範な国民の信頼」を反映していると指摘しています(WPS/Pulse Asia Research, Inc.調べ)。

 

フィリピンと米国は、1950年代の相互防衛条約に基づき、武力攻撃が発生した場合に相互防衛を義務付ける防衛パートナーシップを維持しています。現マルコス大統領の政権下で、両国の関係は強化され、マルコス政権は南シナ海での中国の広範な主張に対し、より強硬な姿勢をとっています。大統領は、米国との共同軍事利用のための拠点数を拡大しており、これには係争海域に近い基地や台湾に近い基地が含まれています。

 

中国は南シナ海のほぼ全域の領有権を主張していますが、この主張はフィリピンやベトナム、マレーシアなどの近隣諸国の排他的経済水域(EEZ)と重複しています。2016年にハーグの仲裁裁判所がその主張を無効とする裁定を下した後も、中国はこの裁定を認めず、係争海域に艦船の展開を続けており、フィリピンとの間で海上衝突を引き起こしています。

 

調査では、米国に次いで2番目に信頼されている同盟国として日本(45%)が挙げられました。その後、オーストラリア(30%)、カナダ(29%)、英国(25%)が続きました。この他、韓国(22%)、ドイツ(17%)、フランス(10%)、インド(3%)などが続きました。

 

WPSは、この結果が、国民が南シナ海をめぐるフィリピンの拡大する安全保障パートナーシップを認識しており、地域の安定に向けた多国間アプローチを支持していることを示唆していると述べています。また、条約同盟国である米国に対する強い国民の信頼と、日本、オーストラリア、カナダといったパートナーに対する好意的な認識は、国際協力、信頼できる抑止力、および透明性が、西フィリピン海における中国の威圧的な活動に対抗するために不可欠であるという認識が深まっていることを示しています。

 

フィリピンは、米国、日本、オーストラリアとの協定を締結していますが、南シナ海の領有権をめぐる中国との緊張が高まるなか、他の国々ともより緊密な安全保障関係を追求しています。

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録