「架空事業」の発覚で急ブレーキ…2026年「フィリピン経済」、試される「信頼の再構築」

1月12日週「最新・フィリピン」ニュース

「架空事業」の発覚で急ブレーキ…2026年「フィリピン経済」、試される「信頼の再構築」
写真:PIXTA

「アジアの成長頭」として注目を集めてきたフィリピン経済が、2026年の幕開けとともに大きな試練に直面しています。1月5日、フィリピン政府は2027年までの経済成長目標の下方修正を発表しました。その裏にあるのは、単なる景気減速ではありません。洪水対策事業を巡る「架空事業(ゴースト・プロジェクト)」の発覚と、それに伴うインフラ投資の停滞です。14年ぶりの低水準に沈んだ成長率と、ガバナンスの欠如。一方で、底堅さを維持する個人消費。清濁入り混じるなか、政府は失墜した信頼をどう回復させるのでしょうか。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクター・家村均氏が、2026年、フィリピン経済の現在地と展望を解説します。

ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

データで読み解く「日本経済」のリアル【エンタメ・スポーツ・事件編】
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン(編集)

データで読み解く「日本経済」のリアル【季節&気象・マインド・おもしろジンクス編】
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン(編集)

富裕層の資産承継と相続税 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】
八ツ尾順一(著)+ゴールドオンライン(編集)

 

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

 

汚職スキャンダルと成長目標の下方修正:現実的課題への直面

2026年1月5日、フィリピン政府の予算調整委員会(DBCC)は、2027年までの経済成長目標を下方修正すると発表しました。2025年第3四半期の成長率が、洪水対策事業に絡む大規模な汚職スキャンダルと歳出停滞を受け、約14年ぶりの低水準(4%)に沈んだ事態を重く見た結果です。この目標引き下げは、従来の過度な高成長期待から、現実的な課題と対峙する局面への転換を強く示唆しています。

 

政府は2026年の成長目標を従来の6〜8%から5〜6%へ、2027年を5.5〜6.5%へと、それぞれ現実的な水準に見直しました。一方でバリサカン経済担当相は、依然としてフィリピンがアジア屈指の高成長国の一つである点を強調しています。

 

公共工事、特に治水事業で発覚した「ゴースト・プロジェクト(架空事業)」や過大なキックバック等の深刻な不正問題は、政府支出の透明性への信頼を大きく毀損しました。公共投資が経済を牽引すべき重要な時期に、ガバナンスの欠如が成長の足枷となった事実は看過できません。

 

他方で、光明となる要素も存在します。インフレ率が政府目標の2〜4%に収束している点、そして中央銀行の利下げサイクルが継続している点は、民間消費の底堅さを支える有力な好材料と言えます。

 

また、OFW(海外就労フィリピン人)による堅調な送金と雇用市場の安定が、個人消費という経済の屋台骨を支えています。政府が今回あえて目標を修正したのは、数字の辻褄合わせではなく、予算執行の効率化と汚職是正を通じた「質の高い成長」へ舵を切るための、必要な過程とも捉えられます。

 

マルコス政権が掲げる「Build Better More (BBM)」に基づく有望なインフラ計画は継続中です。これらが汚職リスクを排除し、透明なプロセスで実行されるかが、2026年の景気回復の鍵を握ります。政府には今、成長の「速度」を誇示する以上に、ガバナンスの徹底と再構築が求められています。

インフラ汚職の教訓と消費主導による回復の行方

今回の下方修正は、インフラ汚職という根深い構造的課題が経済成長にブレーキをかけた実態を反映しており、投資家には冷静な判断が求められる局面です。

 

しかし、物価安定や利下げ等の追い風は健在であり、消費主導の成長基盤自体が崩れたわけではありません。2026年は、政府がガバナンス改革を徹底し、経済の透明性を回復できるか、「信頼の再構築」が試される一年となるでしょう。

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 石福金属工業のお知らせ エンパワー2月5日セミナーへの誘導です 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧