背景にある“老朽住宅”と“単身中年”の増加
国土交通省の『住宅・土地統計調査(2023年)』によれば、全国の住宅のうち 約13.8%(900万2,000戸)が空き家とされており、老朽化した家屋を相続したり、そのまま放置されたりしているケースが増えています。
一方で、40代後半〜50代単身者の非正規雇用率の高さや収入の不安定さも相まって、「家賃が払えないから実家に戻る」という“セーフティネット”としての実家回帰が広がりを見せています。
松田さんは現在、ハローワークに通いながら、日雇いバイトで生計を立てています。
「父もだいぶ物忘れがひどくなってきたので、将来的には介護も必要になるかもしれません。自分の生活で精一杯なのに、どうするんだろうって、不安しかないです」
実家は“帰る場所”であると同時に、“逃げ場”でもあります。しかし、その実態は、必ずしも安住の地とは限らない――。老朽化した家、親の老い、そして収入不安という“三重苦”のなかで、松田さんの“極限生活”は今も続いています。
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