ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
二重国籍を持つということ
二重国籍以上を持つことは、富裕層にとって政治・税制・治安など、さまざまなリスクをヘッジする手段として欠かせません。近年、この「国籍の購入」が注目を集めています。
多くの国では市民権を取得するために、一定の居住条件や投資実績などの要件を満たす必要があります。しかし、世界には条件をほとんど問わず資金さえあれば市民権を取得できる制度を設ける国があります。このうち8ヵ国はIMFによってオフショア・ファイナンシャルセンター(OFC)に分類されています。
富裕層が国籍を購入する主目的は脱税ではなく、安全やステータスの確保です。高級ヨットやプライベートジェットを所有する富裕層にとって、次のステップとしてマルタやキプロスのパスポートを取得することは自然な流れです。
代表的な国籍購入プログラム
◆トルコ
トルコでは、不動産購入または銀行預金を一定期間維持することで市民権を取得できます。ただし、リラの急落など通貨リスクには注意が必要です。
◆バヌアツ
バヌアツでは、個人・法人ともに所得税・法人税がなく、贈与税・相続税・キャピタルゲイン課税も存在しません。政府公式サイトでは「Great Tax Haven」と明言されています。
カリブ海諸国の国籍購入
小規模ながら国際的に注目されるカリブ海諸島では、比較的低コストで国籍を取得できる国が多くあります。
◆グレナダ
イギリス連邦加盟国で、中国を含む141ヵ国へのビザなし渡航が可能です。
◆セントクリストファー・ネイビス(セントキッツ・ネイビス)
指定額以上の不動産投資や政府への寄付を行うことで同国の市民権(パスポート)を取得できる制度です。国籍取得後60日以内にパスポートを取得できます。
◆セントルシア
最低10万米ドルの国家経済基金(NEF)への寄付または、20万米ドル以上の承認された不動産への投資、あるいは25万米ドル以上の政府承認の持続可能な観光プロジェクトへの投資のいずれかが必要です。現地居住義務なしで国籍取得が可能で、いわゆるペーパー国民になれます。
◆ドミニカ国
経済への貢献(寄付)または不動産投資を通じて国籍を取得できます。一人で申請する場合、約14万ドル(約2,100万円)で市民権を取得可能です。また、家族での申請も受け付けています。
◆アンティグア・バーブーダ
2016年に個人所得税を廃止しました。「投資による市民権プログラム(CIP)」を通じて、国の経済に多額の投資を行う必要があります。
富裕層の国籍戦略の実態
アメリカの富裕層にとって、国籍購入はゴルフ会員権やプライベートジェットを所有する感覚に近いものです。節税・資産保護・治安リスク回避・国際的ステータス確保のために行われ、コストは高級ヨットやジェットよりもはるかに低くなります。ただし上記の国々は、法律が時々改正されるので注意が必要です。
日本の富裕層の間でも、こうした国際的な資産・税務戦略への関心は高まっており、今後ますます国籍購入を検討する人が増えることが予想されます。
奥村 眞吾
税理士法人奥村会計事務所
代表
注目のセミナー情報
【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション
【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
