ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
富裕層の資産承継と相続税 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
日本にはみられない、アメリカ独自の税制
アメリカの税制には、日本とは異なる独自の仕組みが数多く存在します。特に、個人事業主やギグエコノミー労働者に対する報告制度や申告義務のあり方は、日本の制度とは大きく異なります。
こうした制度は、アメリカで収入を得る日本人や、米国のプラットフォームを通じて事業を行う者にとっても無関係ではなく、納税申告を適切に行うための理解が求められます。
1.雑所得報告書「Form 1099-MISC」の提出義務
たとえば、修繕費や手数料を個人事業者に支払った場合、その金額が600ドル(約6万円)を超えると、支払者は雑所得報告書「Form 1099-MISC」を発行し、受取人とIRS(米国国税庁)に提出しなければなりません。
2.ギグエコノミー労働者に対する決済取引報告書「Form 1099-K」の発行義務
また、UberのドライバーやAirbnbのホスト、Etsy※の出店者といったギグエコノミー労働者は、オンラインプラットフォームを通じて収入を得ています。こうしたプラットフォームは、一定の条件を満たした場合、決済取引報告書「Form 1099-K」を発行する義務があります。
※ Etsy……個人がアクセサリーや雑貨といったハンドメイド作品や古着、クラフト素材を売買できるオンラインモール。
「Form 1099-K」の報告基準は、2025年は「年間総収入(労働者がプラットフォームを通じて得た売り上げ)が5,000ドルを超える場合」であるのに対し、2026年以降は600ドルと大幅に引き下げられます。
〈Form 1099-Kの報告基準〉
2025年:年間総収入が5,000ドル(約76万円※)を超える場合
2026年以降:年間総収入が600ドル(約9万円※)を超える場合
※ 1ドル=152円(2025年10月現在)で換算。
したがって、より多くの労働者がForm 1099-Kの発行対象となり、プラットフォームはより多くのForm 1099-Kを発行する必要が出てきます。
