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コーラを「1500円」でも購入する消費者の心理
スーパーで100円、カラオケで500円、山頂で1000円…場所でコーラの値段が変わるワケ
「価格が高いかどうかは、お客さんの状況次第デス。たとえばコーラもそうデス」
「コーラなんて、普通100円とか150円よ。この前、近所のディスカウントストアで、小サイズが40円だったわ。安くしないと誰も買わないわよ」
「ケイコサン、この前、カラオケ行きましたヨネ。インスタ見まシタ」
「わっ。私のプライベート、しっかりチェックされてるし。あの日は土曜で、高校時代の親友たちとカラオケでオールだったわ」
「カラオケ店では、コーラは300円から500円デス。高いデスカ?」
「そんなの普通に頼むわよ。喉も渇くし、カラオケも楽しみたいし。……あれ?」
マルクスはニコッと笑った。
「同じ液体でも、コーラほど状況で価格が変わる商品はアリマセン。登山すれば、山頂では500円デス。中には1000円のコーラもアリマス」
「いくらなんでも、それは高過ぎ。マルクス、あなた騙されているわ」
「ノー! 10年前に初めて来日してリッツ・カールトンに泊まった時、ルームオーダーで飲んだコーラデス」
日吉は(あの超高級ホテルに? この人、意外とセレブ?)と思いながら尋ねた。「それって、何か特別なモノを入れたコーラなんじゃないの?」
「ノー。中身はディスカウントストアのコーラとまったく同じ液体デス。でも、最適な美味しい温度に冷やされて、ライムと氷を添えた最高に美味しい状態で、グラスで運ばれてきマシタ」
ここで小杉が尋ねた。「つまりそのコーラは、マルクスには1000円以上の価値があったってこと?」
「イエース! それまで飲んだ中でもっとも美味しいコーラデシタ。リッツ・カールトンが『最高に美味しいコーラが飲める体験』という価値をつくっているんデス。価格を上回る価値が提供できれば、お客は喜んでお金を払いマス。最近もリッツ・カールトンに泊まったら、ホテル特製『ザ・リッツ・カールトン コーラ』というクラフトコーラがメニューに追加されてマシタ。1500円デシタ」
「さらに価値を上げたのか。リッツ・カールトン恐るべしだな」と小杉が言った。
