リッツ・カールトンでは「100円のコーラ」が「1000円」でも飛ぶように売れる本当の理由…多くの日本企業が知らない“値付けの魔術”

リッツ・カールトンでは「100円のコーラ」が「1000円」でも飛ぶように売れる本当の理由…多くの日本企業が知らない“値付けの魔術”
(※画像はイメージです/PIXTA)

「いいモノを安く提供する」——それは、日本のビジネスにおける長年の“美徳”とされてきました。しかし、この思考こそが、30年にわたる経済の低迷と、給料が上がらない根本原因だとしたら、どうでしょうか。なぜ、リッツ・カールトンでは「100円のコーラ」が1000円でも売れるのか。その答えは、安易な価格競争から脱却し、「価値」で儲ける高価格戦略にあります。永井孝尚氏の著書『【新】100円のコーラを1000円で売る方法』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集し、ある若きビジネスリーダーの物語を通して、多くの日本企業が見失ってしまった“値付け”の極意と、利益を生み出すための価格戦略の本質を解き明かします。

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コーラを「1500円」でも購入する消費者の心理

スーパーで100円、カラオケで500円、山頂で1000円…場所でコーラの値段が変わるワケ

価格が高いかどうかは、お客さんの状況次第デス。たとえばコーラもそうデス」

 

「コーラなんて、普通100円とか150円よ。この前、近所のディスカウントストアで、小サイズが40円だったわ。安くしないと誰も買わないわよ」

 

「ケイコサン、この前、カラオケ行きましたヨネ。インスタ見まシタ」

 

「わっ。私のプライベート、しっかりチェックされてるし。あの日は土曜で、高校時代の親友たちとカラオケでオールだったわ」

 

「カラオケ店では、コーラは300円から500円デス。高いデスカ?」

 

「そんなの普通に頼むわよ。喉も渇くし、カラオケも楽しみたいし。……あれ?」

 

マルクスはニコッと笑った。

 

「同じ液体でも、コーラほど状況で価格が変わる商品はアリマセン。登山すれば、山頂では500円デス。中には1000円のコーラもアリマス」

 

「いくらなんでも、それは高過ぎ。マルクス、あなた騙されているわ」

 

「ノー! 10年前に初めて来日してリッツ・カールトンに泊まった時、ルームオーダーで飲んだコーラデス」

 

日吉は(あの超高級ホテルに? この人、意外とセレブ?)と思いながら尋ねた。「それって、何か特別なモノを入れたコーラなんじゃないの?」

 

「ノー。中身はディスカウントストアのコーラとまったく同じ液体デス。でも、最適な美味しい温度に冷やされて、ライムと氷を添えた最高に美味しい状態で、グラスで運ばれてきマシタ」

 

ここで小杉が尋ねた。「つまりそのコーラは、マルクスには1000円以上の価値があったってこと?」

 

「イエース! それまで飲んだ中でもっとも美味しいコーラデシタ。リッツ・カールトンが『最高に美味しいコーラが飲める体験』という価値をつくっているんデス。価格を上回る価値が提供できれば、お客は喜んでお金を払いマス。最近もリッツ・カールトンに泊まったら、ホテル特製『ザ・リッツ・カールトン コーラ』というクラフトコーラがメニューに追加されてマシタ。1500円デシタ」

 

「さらに価値を上げたのか。リッツ・カールトン恐るべしだな」と小杉が言った。

 

 

次ページ高価格で売ることは、社員の給料に直結する

※本連載は永井孝尚氏の著書『【新】100円のコーラを1000円で売る方法』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

【新】100円のコーラを1000円で売る方法

【新】100円のコーラを1000円で売る方法

永井 孝尚

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