リッツ・カールトンでは「100円のコーラ」が「1000円」でも飛ぶように売れる本当の理由…多くの日本企業が知らない“値付けの魔術”

リッツ・カールトンでは「100円のコーラ」が「1000円」でも飛ぶように売れる本当の理由…多くの日本企業が知らない“値付けの魔術”
(※画像はイメージです/PIXTA)

「いいモノを安く提供する」——それは、日本のビジネスにおける長年の“美徳”とされてきました。しかし、この思考こそが、30年にわたる経済の低迷と、給料が上がらない根本原因だとしたら、どうでしょうか。なぜ、リッツ・カールトンでは「100円のコーラ」が1000円でも売れるのか。その答えは、安易な価格競争から脱却し、「価値」で儲ける高価格戦略にあります。永井孝尚氏の著書『【新】100円のコーラを1000円で売る方法』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集し、ある若きビジネスリーダーの物語を通して、多くの日本企業が見失ってしまった“値付け”の極意と、利益を生み出すための価格戦略の本質を解き明かします。

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「安さ」で勝てるのは、「その業界で1社」だけ

翌朝、すっかり考えが変わった日吉は、マルクスと小杉に昨晩の話をした。「つまり、単なる安売りだけではダメってことね」

 

「そうデス。少々高くても、価値を求めるお客は必ずいマス

 

すると日吉は首を傾げて尋ねた「でも、なんで安売りの方が難しいの? 安さで成功している会社、多いでしょ。『お、ねだん以上。』のニトリは基本的に値上げしないし、チョコザップも2980円よ。圧倒的に価格を下げて、たくさん売って儲ける戦略もアリなんじゃないの?」。

 

「安易にニトリやチョコザップのマネをしてはいけマセン」マルクスはそう言うと絵を描き始めた。

 

「ニトリとチョコザップは、どこよりも低コストにする『コストリーダーシップ戦略』を極めたから、安さで勝てるんデス。これで勝てるのは業界で1社だけデス」

 

「1社だけ? 具体的にどうするの?」

ニトリとチョコザップが徹底した「コストリーダーシップ戦略」

ポイント1.「どこよりも多く」、「どこよりも速く」つくる

「方法は2つデス。1つ目は、どこよりもたくさんつくって売れる仕組みをつくりマス。生産量と販売量が多いと、商品1個当たりのコストが下がるンデス。ニトリは世界1000店舗で家具をたくさん売ってマス。そこで原材料から製品まで一貫してつくる大工場をベトナムに設けて、徹底してコストを下げてマス。だからニトリはどの会社よりも安く家具をつくれマス。これを『規模の経済』と呼びマス」

 

マルクスはさらに新しい絵を描いた。

 

「もう1つありマス。ボクたちは何かやる時、1回目より100回目の方が慣れて速く確実にできマス。会社も製品を数多くつくれば、経験で速く安くつくれマス。これを『経験曲線』と呼びマス。ニトリが安くできるのは、規模の経済と経験曲線を極めたおかげデス」

 

出典:『【新】100円のコーラを1000円で売る方法』(KADOKAWA)より抜粋
[図表2]「コストリーダーシップ戦略」で、低コスト構造をつくる 出典:『【新】100円のコーラを1000円で売る方法』(KADOKAWA)より抜粋

 

日吉は「ニトリ、恐るべしね」と納得した。

 

ポイント2.「やらないこと」を決める

「2つ目の方法は、『やらないことを決める』ことデス。チョコザップは店舗スタッフの常駐をやめて、完全無人店舗デス。シャワーもプールもやめて、水回り工事も不要デス。色々やめたから低コストなんデス。他にもありマス」

 

マルクスは絵に「QBハウス」と書いた。

 

「日本の散髪店は4000円で、1時間かかりマス。QBハウスはカットに特化して、洗顔・ひげ剃り・予約をやめてコストを下げて、時間は10分、料金1400円。『やらないこと』が明確デス。こうして、低価格戦略では業界一番の低コストを目指しマス。勝てるのは業界で1社だけデス。難易度が高いんデス」

 

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次ページ「高価格戦略」なら、業界で複数の会社が勝てる

※本連載は永井孝尚氏の著書『【新】100円のコーラを1000円で売る方法』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

【新】100円のコーラを1000円で売る方法

【新】100円のコーラを1000円で売る方法

永井 孝尚

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