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多忙な夫、専業主婦妻に家計を預けていたが…
「妻を信じていたのですが、もう、無理かもしれません…」
そういって大きなため息をつくのは、三宅友晴さん(仮名・30歳)です。友晴さんは、大学卒業後、中堅企業に入社。その後、気鋭のベンチャー企業に転職しました。現在は部下を複数持つ管理職です。仕事は非常にハードですが、年俸は同世代よりかなり高く、やりがいを持って働いています。しかし、転職当初は大きなチャレンジでした。
大学時代のアルバイト先の同僚だった妻のさくらさん(仮名・29歳)とは結婚6年目。さくらさんは結婚後、家庭と仕事の両立が難しくなり、心配した友晴さんの希望で専業主婦になりました。いまは超多忙な友晴さんを支えています。
友晴さんは4年前の転職時に、さくらさんに次のようなお願いをしました。
「仕事が忙しくなるから、家のことにいろいろ手が回らず、負担をかけてしまうかもしれない。申し訳ないが、家計はさくらが管理してくれないか?」
当時の友晴さんの給料は、残業などで上下があるものの、月の手取りで60万円程度でした。そして、その後順調に増えていきました。
入院がきっかけで発覚した、家計の大問題
友晴さんは新しい環境で仕事に熱中し、馬車馬のように働きました。出張から戻ってすぐに別のエリアに出張することもあるなど、とても過酷な状況もありました。そんな中、友晴さんは過労で倒れてしまったのです。
幸い、まだ若い友晴さんは、数日の入院後、問題なく退院しました。しかし、もし自分に万が一のことがあったら…と、不安になったのでした。
「さくらちゃん、相談があるんだけど…」
自宅に戻った友晴さんは、さくらさんに声を掛けました。
「家のこと、任せっぱなしにしているけれどさ。いま、いくらぐらい貯金がある?」
「え…?」
さくらさんは口ごもりました。
「ざっくりとでいいから」
「すぐにはよくわからないから、確認して、あとで教える…」
友晴さんは「ははーん。いろいろ贅沢してるんだな?」といって、笑いながらさくらさんの顔を覗き込むと、さくらさんは目を伏せました。
「別にいいんだよ、いつも家のことをしっかりやってくれて、感謝してる。さくらちゃんだって、たまには気晴らししたいだろう? そんなことはわかってるから、ちょっと見せてよ~」
冗談っぽく迫る友晴さんに、さくらさんはなお抵抗します。
友晴さんもさすがに真顔になりました。
「僕に万が一のことがあったら、困るのはさくらなんだよ?」
そういって詰め寄ると、さくらさんは震えながらスマホの画面を見せました。
「えっ…!」
