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京都本店をそのまま海外で再現する
ロサンゼルスで店をオープンするまでにはいろんな障壁がありました。
この頃のロサンゼルスは中国系や韓国系などのアジア人がたくさんおり、アジア人といえば日本人という感じではありませんでした。そこに店を出すのです。ハードルの高さを感じたのを覚えています。
店の場所は、ビバリーヒルズにこだわりました。ビバリーヒルズは、日本でも高級住宅地やセレブの街として知られており、その名前自体にブランド力があることも理由の一つでした。それは日本でも「天ぷら圓堂」の宣伝になると思ったのです。
店舗探し、内装工事、スタッフ探し、スタッフの教育、トータルで1年くらいかけましたが、すべて山本くんと二人でやり遂げました。いちばんこだわったのは内装です。店の広さは33坪。工事には少なくない費用をかけて、京都本店をそのまま再現しました。
私はこの店は、最初から京都本店をそのまま持っていったようなものにすると決めていたのです。そうすることで、この店に来てくださるお客様に、ロサンゼルスにいながらにして、日本にプチ旅行をしたような気分を味わってもらいたいと思いました。そのうえで、日本の、京都の熱々の高級天ぷらを味わってもらいたかったのです。
内装工事はまず、ロサンゼルス在住の日本人の大工さんを探すところから始めました。それは容易なことではありませんでしたが、ある時著名な日本人の邸宅を手がけられた小野さんという方と出会うことができました。
いざ内装工事が始まると、イメージと違う、感覚が日本的ではないと思うこともありましたが、何度も会って説明したり、本店の写真を撮ってメールで送り、電話で伝えたりしながらイメージを共有していきました。
ビバリーヒルズ店には、食事が終わった後にティーセレモニーを行うためのお茶席を設けています。小野さんのおかげで、ロサンゼルスに京都の店を再現することができました。彼と出会えたことは本当に幸運だったと思います。
完成後、小野さんが京都の本店を見てみたいと、わざわざ訪ねてくださったことを覚えています。

