(※写真はイメージです/PIXTA)

華やかに見えて、その実、数多の店が人知れず消えていく飲食業界。「天ぷら圓堂」の主人・遠藤弘一氏は、多くの経営者が見落とす日常の些細な風景にこそ、大きな問題が隠されていると語ります。同氏の著書『まっすぐ精進 京都祇園「天ぷら圓堂」繁盛記』(幻冬舎メディアコンサルティング)より、企業の利益と成長、ひいては従業員自身の雇用を守るうえで最も重要なことを探ります。

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雇われの身でも我商売と思え

飲食店の経営者で店を潰してしまう人がいます。その人たちに共通していることは、細かな配慮ができていないということではないかと思います。

 

特に人件費は経営者がきっちり管理すべき問題です。自分の店の客の入りを見極めて毎日調整しなければなりません。

 

例えば「土日は忙しくなるから接客の人員を増やそう」とか、「明後日は連休明けだからあまり客を見込めないから人員を減らそう」「日曜の夜は客の入りが少ないから減らそう」。そうやって経営者、もしくは店長がきちんと自分の店の客の入りを考えて、従業員のシフトを決めるのです。

 

ところが雇われ店長などはそういったことをまったく考えず、パートさんなど従業員の都合に合わせてシフトを決めたりしています。

 

実は、「天ぷら圓堂」でもそういったことはあります。特に百貨店の店舗などではそういうことが起こりやすいです。私は経営者として、百貨店の店舗を任せている店長には「売り上げに対して、原料に3割、販売管理費に3割、人件費に3割の配分でお願いします」と指示を出しています。

 

それにもかかわらず、人件費が3割を超えてしまうことがあります。

 

「なんで人件費が3割超えているのや」

 

そう問いただすと、たいていは申し訳なさそうにうつむいて、こう答えます。

 

次ページ「言いにくい」店長と、「ごめんなさい」で済ませる従業員の問題点

※本連載は、遠藤弘一氏の著書『まっすぐ精進 京都祇園「天ぷら圓堂」繁盛記』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・編集したものです。

まっすぐ精進 京都祇園「天ぷら圓堂」繁盛記

まっすぐ精進 京都祇園「天ぷら圓堂」繁盛記

遠藤 弘一

幻冬舎メディアコンサルティング

石畳と格子戸がつづく祇園。夕暮れの路地を舞妓がすり抜け、座敷の明かりがにじむ――お茶屋・置屋・仕出しが役割を分かち合う商いが息づく花街。この祇園の地で、明治十八年創業のお茶屋「近江榮」を受け継いだ著者は、1991年…

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