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母のお茶屋の名前をつけたワインバー
本店の「離れ」をオープンしてから2年経った頃、私はワインバー「宮川町 近江榮」を開業しました。私が52歳。2012年のことです。
これもまた、何か計画があって始めたわけではありません。メインバンクの課長と飲みに行ったバーで、声をかけられたのがきっかけです。そのバーは芸妓さんが経営しているお店だったのですが、「来月でやめまんねん」と言うのです。
「やめちゃうの? 寂しいなあ」
「それやったら、遠藤さんとこ儲かってるし、やってくれない?」
「やる言うたかて、そんな高い買い物ようせんがな」
なんて話していたら、メインバンクの課長が「いや、この店いいですよ。遠藤さん、やりましょうよ」
そんな始まりでした。
29歳で会社員を辞めて「天ぷら圓堂」を始めて、24年になります。その間にいろいろなことを経験してきて思うのは、自分の頭の中で考えたものだけではなかなかうまくいかない、ということです。でもこのバーのように、縁からスタートしたものはすんなりと事が運びます。
もちろん途中に障害はあるけれども、それも大きな障害にはならず、すぐに解決策が見つかる程度のものです。この時も、店名・コンセプト・キャッチコピーがすんなりと決まっていきました。
バーの名前は「宮川町 近江榮」。お茶屋から天ぷら屋に業態を変えたことで、明治から続いていたお茶屋「近江榮」の名前が祇園の街から消えてしまったことが、私はずっと気になっていたのです。お店のコンセプトもお茶屋を意識し、花街のお茶屋バーとワインバーを融合させた形にしました。そして「花街を流れるテロワールの風」をキャッチコピーに、ホームページも作成しました。
