(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者の“終活”が注目されるなか、「残された人生をどう使うか」に悩む人は少なくありません。特に、まとまったお金を相続した際には、これまで我慢してきたことに使おうとするケースも見られます。しかし、それが思い描いたような幸福につながるとは限りません。

「人生、楽しんだもん勝ち」だと思っていた

「海外旅行なんて、若い頃は夢のまた夢だったんです」

 

そう語るのは、都内在住の坂口知子さん(仮名・63歳)。60歳を迎えた直後に実母を亡くし、兄妹で分けた遺産のうち約800万円を受け取りました。

 

「母は堅実な人で、ほとんど贅沢をせずに亡くなりました。だからこそ思ったんです。“あの世にお金は持っていけない”って。だったら、私が使ってあげようって」

 

坂口さんは長年パート勤務をしながら生活しており、これまで出かけるといえば、国内の温泉や小旅行程度でした。かつての夢だった「海外一人旅」をついに実現させるべく、ツアーではなく航空券とホテルを自分で手配する自由な旅を選びました。

 

そこからの3年間で、坂口さんはイタリア、フランス、スペイン、台湾、ベトナム、ニュージーランドなど計6ヵ国を訪れました。行く先々で出会った人と写真を撮り、美術館や市場、夜のカフェでのひとときを楽しみました。

 

「本当に楽しかったです。“ああ、これが私の人生だった”って言えるくらい、満たされた気持ちになった時期もありました」

 

一方で、帰国後に待っていたのは、現実の生活でした。相続財産はほぼ使い果たし、パート先は閉店。国民年金のみでの暮らしに突入します。

 

坂口さんは、厚生年金に加入していなかったため、老齢基礎年金のみの受給です。現在の年金月額は約6万7千円。そこに個人年金を少し上乗せしても、月収は9万円に届きません。

 

「生活費はギリギリでした。スーパーでも見切り品しか買えなくなって、最初は“これもまた人生”って思っていたのですが…だんだん気力がなくなってきて」

 

家賃6万5千円の賃貸住宅は駅から遠く、エレベーターもない3階。暑さや寒さの厳しい季節には体調も崩しがちになりました。

 

「楽しかった旅の写真を見ても、あの頃に戻りたい気持ちが強くなるだけで…。現実が苦しくなると、過去が余計に眩しくて」

 

こうした心理状態は、いわゆる「燃え尽き症候群」に近いとされます。老後の生活において、資金を一気に使い切ったあとに「何を目標にすればよいのかわからない」と感じるケースは少なくありません。

 

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