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アメリカとOECDの利害調整
アメリカの立場は、自国の主要産業であるIT企業の利益を保護することにあります。一方、市場国側は、何の見返りもなくDSTを廃止することは困難です。日本はDST導入に言及していないため、MLC推進派と位置付けられます。
最悪のシナリオは、OECDのMLC案が頓挫し、DST課税が存続する場合です。DSTは市場国すべてで導入されているわけではなく、税率も国ごとに異なります。
想定されるシナリオとしては次のようなものがあります。
・OECDがDSTの基本税率を定め、各国がこれに従って課税する方式。
・MLCの内容を改善し、利益配分(利益A)についてアメリカと市場国(OECD)が調整を行う方式。
デジタル課税はOECDが約7年かけて検討してきた成果であり、これを白紙に戻して再出発することは非現実的です。既存の枠組みを基盤に改善を加え、利害関係者間で調整を図る以外に現実的な解決策はありません。
矢内一好
国際課税研究所首席研究員
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