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老後を蝕む夢のマイホーム
吉田正信さん(仮名/66歳)は、都内の中堅企業を65歳で定年退職。妻の恵子さん(仮名/68歳)と東京都郊外の築31年の戸建て住宅で暮らしていました。2人の子どもたちはすでに独立しています。
30年前、土地を正信さんの父から譲り受け、建物約2,500万円の住宅ローンを組みました。4人家族でのびのび暮らすため、間取りは4LDK・2階建て。「家賃を払い続けるくらいなら」と、少し無理をして手に入れたマイホームです。
正信さんの年収は50代で約600万円台、扶養内で働く恵子さんのパート収入と合わせ世帯年収は約700万円。住宅ローンと子どもたちの進学費用をなんとかやりくりし、ようやく定年を迎えました。しかし、老後生活が始まった途端、「マイホーム」という存在が重くのしかかります。
退職金を使ってローン完済!のはずが…
ローンは毎月7万円ずつ返済してきましたが、定年退職時、住宅ローンの残高はまだ約500万円残っていました。あと5年近く支払い続けなければなりません。しかし、65歳で受け取った退職金が500万円だったため、これをそっくりそのまま充てれば完済できる計算だったのです。
ところが、問題はそのあとでした。老後資金として準備できたのは、個人年金保険と預貯金を合わせて約400万円のみ。夫婦の公的年金は合計で月21万円ほど。2人で暮らすにはぎりぎりといった所感です。
追い打ちをかけたのが、築30年を超えた我が家の修繕費。外壁は所々錆が浮きはじめています。リフォーム会社の見積りでは、外壁・屋根の補修、エコキュートの交換なども含め、最低でも250万円は必要とのこと。
「ローンが終わったのに、また数百万円……。とても払えない」正信さんは頭を抱えていました。

