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アメリカの「自主申告制度」
アメリカでは、外国の銀行から米国内国歳入庁(IRS)にアメリカ人の隠し口座情報が提供されたことがあります。しかしIRSは、口座所有者を直接呼び出すことはせず、一定期間内に自主申告すれば告発しないという“アメ”の政策を打ち出しました。
この政策により、隠し口座を持つ人々は「自主的に申告したほうが安全だと考え、多くの人が名乗り出ました。その結果、提供された名簿の人数を上回る申告があったと報告されています。
このような動きに加え、IRSは2008年にOffshore Voluntary Disclosure Program(OVDP)を開始しました。これは、過年度に申告していなかった海外資産に関して納税者が自発的に申告することで、刑事告発を回避できるという制度ですが、2018年に終了しています。
日本の「国外財産調書制度」
日本では平成24(2012)年度の税制改正により、平成26(2014)年1月1日以降、「国外財産調書制度」が創設されました。国外に5,000万円を超える財産を保有する個人は、毎年12月31日時点での財産状況を翌年3月までに提出する義務があります。
この制度には、「タックス・アムネスティ」的な考え方が一部取り入れられており、提出者が後に申告漏れをした場合には過少申告加算税が5%軽減されます。
一方で、提出しなかった場合や故意に提出しなかった場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に加え、過少申告加算税が5%加重される“ムチ”の側面があります。
インドの「ブラックマネー法」
インドでは2015年に「ブラックマネー法」が制定され、国外に保有する所得や資産の申告が義務づけられました。
未申告の場合には、海外資産に対して30%の課税、課税額の3倍の罰金、さらに3年~最大10年の禁錮刑が科されるという厳しい規定があります。一方で、自主的に申告した個人には罰金が免除される制度も導入されました。
こうした仕組みにより、約6,500億ルピー(約1兆1,375億円)相当の資産が申告されました。
