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働くことは自分への「贈り物」
では、お金を稼ぐためでも生存のためでもないとすれば、人はなぜ労働するのかーー私は自分への「贈り物」という意味合いが大きいからだと考えています。
人はまずは自分のために働きます。自分の能力や存在価値を証明できるのが仕事なので、仕事をすることによって自己満足が得られます。そして、働くことにより対価を得て、安定したより良い生活を送ることができます。それらの価値自体が自分への「贈り物」だと思います。
しかしもう一歩考えを進めてみると、それは単に自分のためで終わるのではなく、他者のためや社会のためになっていることに気づくことができます。実際、自分が働いてつくりだしたものやサービスに対して「ありがとう」という言葉が返ってくることがあります。たとえその言葉が聞こえてこなくても、人の役に立ち、社会のためになったと実感することができたとき、働くことの喜びはとても大きなものになるでしょう。
それは自分がこの社会で生きているということの意味を、必要とされる存在であることを改めて感じさせてくれるからです。
自分の労働は人の喜びにつながり、人と一緒に社会をつくっている、貢献していると感じることができたとき、働くことの喜びは最も大きくなると思います。逆にいえば、その手応えを得ることができない仕事に、納得感や充実感は生まれません。だから私は働くことは自分への「贈り物」だと思うのです。
私たちは働くことを通じて価値を贈り合い、お互いの必要性を感じていくーーそこに働くことの意味があり、働くことがもたらす納得や満足があると思います。
現代の社会の一員である以上、人間は基本的に働くことから逃れられません。それなら、どこで何をしてもいいから気持ち良く楽しく働くのがいちばんかもしれません。もしくは、誰もが知っているような知名度のある企業や給料の高さを求めて働くことも一つの選択肢です。
けれどもこれらの条件に比例して、仕事に対する満足度が高まるかといえば、必ずしもそうとはいえないのではないでしょうか。
その企業の売り上げや時価総額がどんなに大きくても、クリエイティブな仕事があったり給料が良かったりしても、自分が求める満足度を満たさなければ、その価値は満足できるものではないのです。もちろん給料はそれなりに高いほうがいいですが、それだけが働くことの目的になってしまったら、働く楽しさは失われてしまうように思います。
大切なのは、どこで何をして働くかということよりも、その働きが誰かのためになり、幸せにつながっているのかどうかではないでしょうか。
働くのは自分であり、スタートは「自分のため」かもしれません。しかし、それが人と社会につながり、自分から社会への「贈り物」になっていると感じることができたときにこそ、人は働く幸せを感じることができます。それが感じられたならば「なにをして働いているか」はきっと、大きな問題ではなくなるのです。
井上 直之
三陽工業株式会社
代表取締役社長
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