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行動しながら考える
正解のある世界では、私たちは勉強して、正解を手に入れるということをずっとやってきました。高校や大学での学びも、「どうすれば正解にたどり着けるか」を追求するものだったといえます。
しかし、今私たちは正解がない世界を生きているので、既存の発想法や学問体系を脱し、改めて問題の所在を探るところから始めなければなりません。
では、正解がない世界で私たちは何ができるのでしょうか。
目指すべき正解が分からないのですから、試行錯誤するしか方法はありません。それが「行動しながら考える」ということです。
ビジネスの世界ではThinker(シンカー:考える人)かDoer(ドゥアー:行動する人)か、という議論が昔からあります。
もともと日本の経営者には圧倒的にThinkerが多いのですが、イノベーションを起こすためには、経営のトップやリーダーはDoerである必要があり、社員にもDoerが増えていくことが求められている、などといわれています。
もちろんどちらの資質も大切です。考えるだけで動かない、行動するが考えない、これではいずれも成果には結びつかないでしょう。人にはどちらかに偏る傾向があるので、まず自分がどっちの傾向にあるのかを知ることが大切です。もし行動が先に立つタイプなら、もう少し考えることを意識し、逆にじっくり考え込むタイプなら積極的に行動することを意識するようにします。
ちなみに、私が考える理想は「行動しながら考える」です。「考えながら行動する」ではありません。
これには理由があります。行動することは誰にとっても高いハードルがあります。多くの人は何か新しいことをやろうとするときには、いろいろな言い訳をつくって先延ばしにしたり、結局踏み出すことをやめてしまったりするのです。
考えることは大切ですが、考えすぎることはかえってマイナスになることもあるのです。いくら考えても、考えているとおりにことが運ぶことはまれで、行動するからこそ見えてくるものは少なくありません。事前に検討を重ねても、一定のラインを過ぎて続けたら「机上の空論」になってしまいます。
これに対して、行動して直面したものから得た結論は「現場に即した仮説」です。混沌の時代のなかで前に進むために有効なのは、この現場から導く仮説なのです。
