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本記事のポイント
・令和のブラックマンデー再来を回避した要因
・関税交渉妥結を受けての急騰は行き過ぎ
・7日に決算を発表するトヨタの業績に注目
令和のブラックマンデー再来を回避した要因
週明けの(2025年8月4日週)東京株式市場は大幅安に見舞われた。前週末に発表された米国の雇用統計が市場の予想を下回る弱い内容であったことなどから米景気の減速懸念が台頭。米株式相場が下落した流れを受け、東京市場でも幅広い銘柄に売りが先行した。日経平均の下げ幅は一時900円を超え、心理的節目の4万円を下回る場面があった。
市場参加者の多くは、日経平均が4,451円安と過去最大の下げを記録した「令和のブラックマンデーの再来」が脳裏をよぎったことだろう。令和のブラックマンデーが起きたのは2024年8月5日とちょうど1年前。7月末に日銀の金融政策決定会合が行われた直後という日柄も8月2日に発表された米雇用統計が弱含んで株式相場の急落につながったという点もまったく同じだからだ。
ところが今年2025年の日本株相場は昨年とは違う展開となった。売りが一巡したあとは押し目買いなどが入り、下げ渋る展開となり、日経平均の終値は前週末比508円と1%強の下落にとどまり、終値でも4万円の大台をキープしたのだ。
今回、日本株が米国発の雇用統計ショックを耐え、令和のブラックマンデー再来を回避した要因はいくつかあるが、いちばんわかりやすいのは日銀の姿勢だ。
昨年2024年を振り返ると7月31日に日銀は、政策金利を0~0.10%から0.25%に引き上げた。円安による物価上振れの抑止が引き上げの理由の一つであった。さらに、日銀の植田和男総裁は、見通しどおりに景気や物価が推移するのであれば利上げを継続することを示唆したのだった。
それに対して今年は正反対ともいえる状況である。日銀は会合で政策金利の現状維持を決めた。その後の記者会見で植田総裁は「物価見通しに直ちに大きな影響があるとはみていない」と語ったことをきっかけに、一段と円安が進んだ。市場は「日銀の姿勢は利上げを急がないハト派的な姿勢」ととらえたのである。
こうした日銀の姿勢もあって、一時1.6%を超えた10年債利回りは足元で1.5%を下回る水準まで低下している。これが日本株の支えになっていると思われる。
