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製造業の堅調な動き
フィリピン投資委員会(BoI)は現在、合計335億4,000万ペソに及ぶ30件の製造業プロジェクトの申請を審査しています。これらのプロジェクトが実現すれば、1,668人の雇用が創出される見込みです。
今年1月から6月までに、BoIはすでに14件の製造業プロジェクトを承認しており、これらの投資額は合計266億3,000万ペソで、前年同期の100億5,000万ペソから165%以上の大幅な増加となりました。これらのプロジェクトからは5,725人の雇用が生まれると見込まれています。
貿易産業大臣でありBoI議長であるロケ氏は、「製造業の安定した成長と投資家の信頼回復が、フィリピン人の雇用機会を拡大する土台になっている」と述べました。フィリピン統計庁(PSA)のデータによると、2025年5月の製造業生産量は前年同月比で4.9%増加し、これは過去10カ月で最も高い伸びを記録しました。特に食品加工分野は15.7%と大幅な伸びを見せており、輸送機器の製造も13.5%増となりました。このことから、フィリピン国内の経済活動と雇用創出が加速していることが示唆されます。
さらに、S&Pグローバルが発表したフィリピンの製造業PMI(購買担当者指数)は、6月に50.7を記録し、5月の50.1から上昇。拡大基調を維持しています。一方で、トランプ大統領による米国の関税が、フィリピンの輸出に悪影響を与える可能性も指摘されています。そのため、輸出依存型の投資は、販売、在庫、設備計画における不透明感から、より慎重な姿勢を強いられる可能性があります。
しかし、フィリピンは国内消費がGDPの約75%を占める消費主導型経済であり、人口ボーナスなどの人口動態の強みと高い経済成長率が、外国企業にとって「自立的な販売市場」としての魅力を保ち続けています。
製造業への投資が活発化する中で、食品や輸送機器など特定分野の成長性が際立っています。個人投資家としては、これらの動向が関連セクターの上場企業、不動産、物流インフラへ与える波及効果に注目することで、中長期的な成長機会を投資につなげるチャンスが広がると考えられます。国内消費の強さに支えられた安定成長は、投資の追い風となるでしょう。
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