c. 結節点をみつける:「業務遂行」を目標に
誤解が解ければ「対個人」の関係性は改善すると予想されますが、ここで厄介なのは、既に集団行動にまで影響を及ぼしていることです。
1.過去にもこういうことがなかったか、検討する
再発防止に向けては、何気なく放った言葉で過剰反応されることを視野に置きながら、次のようなことに気をつけてください。
・冗談でも仕事に関わる発言には注意する
→「手を抜いてもいいよ」「適当でいいよ」はNGワード
・誤解される可能性を考える
→「ジョーク」と「指示」の境界を明確にする
・部下の性格を考慮する
→冗談を真に受けやすいタイプの部下には、慎重に言葉を選ぶ
2.目標を「業務遂行」に向ける
・これからどうやって仕事を進めるかについても考えてもらいましょう。勿論、Hさんが得意なことを活かせるとしたら、本来やってもらいたかった仕事についても、話し合いましょう。
・業務の進め方を見直し、部下たちと定期的にコミュニケーションを取る機会を増やしたり、部下たちの意見を尊重したりしながら、リーダーとしての役割を再確認しましょう。
「好き嫌いがあってはいけないのではない、人間だからあってしかるべきである、嫌いでも構わない、しかし、『嫌いという感情が表に出て』業務に支障が生じてしまっていること、ここはいけないことだと感じる、君たちはどうかな?」と、あくまで仕事マターの話し方です。
ここまで、自力で解決できればよいですし、もちろん、他者と情報共有しながらでも構いません。結果として、社員全体が安心して働ける環境が整備され、チームの士気も向上、となればよいです。
3.伝えるべきは、伝える
関係性を修復しながら、どこかのタイミングで、次のことを伝えましょう。
今回の件、Hさんの言動は、労働契約に基づく「労務提供義務、誠実労働義務、職務専念義務」違反であるということ……です。
たとえばこうです。「気持ちを整理する時間が必要であればそれは尊重します。でもチームの一員として、〝業務を止める〟という選択は、別の話として整理させてください」「今後もこんな状態が続くと、上司として正式な対応を考えざるを得なくなる」といった具合に『行動には責任が伴う』ということを伝えます。
ここまでが、あなたが、あなた自身を守るロジックです。しかし、もし、Hさんの行動が改まらなかった場合には、このまま放置はNGです。「やった者勝ち」の前例をつくってしまいます。
部下の「集団的な行動」(複数の部下が共通の不満を抱えて上司を批判する)は「単独の行為」よりも強い圧力を与えます。組織として正式な対処フェーズに入るのが適切です。直属の上司や人事部、ハラスメント相談窓口と連携を取ってください。
加藤京子
H・Rサポート、株式会社クレドコラ(credocara)代表
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